BITTER WINTER

日本の統一教会:解散後の「粛清」 3. 政府による「再教育」計画

by | Jun 27, 2026 | Documents and Translations, Japanese

国の新たな政策には、統一教会信者の家庭で育つ未成年者の考え方を変えることを目的とした学校教育プログラムが導入されている。

パトリシア・デュバル

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Japanese schoolchildren. Credits.
日本の小学生たち。Credits

政府による「脱教化」計画

2024年1月に採択された政府の施策には、以下の内容が含まれている:

  1. 宗教的信念に関連する「虐待」を題材とした漫画やオンライン掲示板を通じて、小学生に対する教育を行うこと。
  2. 人権教室の一環として「啓発」講座を実施すること。その中には、あたかも教会への献金が消費者問題であるように扱う、宗教的な献金に関する「消費者教育」も含まれている。特に、統一教会の「犯罪的な金銭活動」について学ばせることで、親が教会に所属していることによって生じ得る問題を、子どもたちに「周知」させることを目的としている。
  3. 子どもたちが記入するSOSミニレターや、相談窓口の電話番号を記載したリーフレットを配布し、さらなる相談やカウンセラーにつなげること。
  4. 統一教会に批判的な元信者らによって訓練を受けた相談員による相談サービス
  5. 親の宗教的所属に不安を抱く子どもたちを精神保健福祉センターへ紹介すること。
  6. 「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」に基づき、虐待が疑われる場合には親権停止や一時保護を求め、子どもたちを親の影響から切り離すこと。

要約すると、法務省の人権教室の中で行われるこの「再教育」は、宗教のせいで、親が早い時期から自分たちを虐待してきたのだと認識させることを目的としている。さらに、政府の計画では「元信者の経験や知識を活用する」とされている。このような形で養成された相談員による「カウンセリング」が、子どもたちを親の宗教的信仰から引き離すための教育として機能することは避けられない。

ガイドライン

「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」(以下、ガイドライン)は、2022年12月27日に厚生労働省によって公表された。このガイドラインは、教師やスクールカウンセラーが対応の参考とすることを目的として作成されたものであり、「宗教の信仰等に関係する児童虐待」への対応事例が示されている。このガイドラインは、国連の公式通報(UN Communication)の対象となり、2024年4月30日に日本政府へ送付された。信教の自由、教育を受ける自由、表現の自由、結社の自由をそれぞれ担当する特別報告者らは、その中で、ガイドラインが国際法に適合していないとの懸念を表明した。

この通報によれば、ガイドラインは「2022年10月に宗教団体による新たな形態の児童虐待の認定を求め、また過去にエホバの証人やその他の宗教マイノリティに対する否定的な発言を公に行った日本脱カルト協会(JSCPR)と協議のうえで作成された」とされている。さらに、ガイドラインは「反カルト団体との非公開会合において、2022年12月5日から23日までのわずか18日間で策定され、独立した専門家による検証やパブリックコメントを経ることなく採択された」とされる。(エホバの証人による日本政府への提出文書、2024年3月)

このガイドラインには、たとえば、子どもが望まないのに宗教行事への参加を求めたり、宗教活動に参加させたりすることは「心理的虐待」に当たること、また、言葉による叱責や「地獄に落ちる」などの言葉を用いて幼少期から継続的な恐怖心を植え付けることは児童虐待に当たることなどが盛り込まれている。明らかに、これらが対象としているのは、親が子どもに対して行う宗教教育であり、宗教的・道徳的・倫理的価値観の伝達、さらには宗教実践そのものである。

国連の4名の専門家が指摘したように、政府のガイドラインは「宗教的な文脈における虐待の認定基準を、非宗教的な文脈の場合よりも低く設定していると見受けられる」。例えば、ガイドラインには「“児童の就学や日常生活に支障が出る可能性がある時間帯まで宗教活動等への参加を強制するような行為は、ネグレクトに該当する”とある。しかし、『強制』とは具体的に何を意味するのかについて明確な説明はなく、また、この場合の『宗教活動等』が、塾や習い事、その他の日常生活における課外活動とどのように異なるのかも示されていない。」

国連特別報告者らは、このガイドラインについて、「現行の内容のままでは、子どもの思想、良心及び宗教の自由(児童の権利に関する条約第14条第1項)や、自由権規約第18条第4項が保障する、親が自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を損なうおそれがある」と結論づけた。さらに特別報告者らは、「宗教マイノリティに対する疑念や警戒感が高まっている状況において、政府のガイドラインは、宗教または信仰共同体に属する子どもたちに対するスティグマ化や社会的圧力、さらにはいじめを助長する可能性があることを懸念している」と述べた。そのうえで彼らは、日本政府に対し、日本が負う国際人権上の義務との整合性を確保するため、ガイドラインの主要な部分について見直しと再検討を行うよう求めた。

しかし、日本政府がガイドラインを見直すことはなかった。むしろ、ガイドラインは教師やスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーらに広く周知され、「宗教的信仰に起因する児童虐待」の事例を発見できるようにするための研修や説明会が積極的に実施されている。

Anti-cult “SOS mini-letters” distributed in Japanese schools.
日本の学校で配布されている反カルト的な「SOSミニレター」

宗教マイノリティに属する子どもたちの追跡

政府の計画の重要な特徴の一つは、統一教会信者の家庭で育つ子どもたちを把握し、特別な「カウンセリング」が必要な対象として支援につなげる役割を、教師やソーシャルワーカー、スクールカウンセラーに担わせている点にある。学校関係者は、「子ども本人から明確な訴えがない場合であっても」対応するよう求められており、そのため彼らの主要な任務は、まずそうした子どもたちを見つけ出すことにある。

政府に提出された意見書の中で、日本弁護士連合会は、この点について学校関係者がどのように対応すべきかを次のように説明している:

「その前提として、まずは学校が宗教等の問題を抱える子どもを把握することが重要である。 その端緒として、学校生活の中で、保護者の信仰に関する悩みを子どもが教職員に話すことなどが考えられる。また、保護者や子どもから、信仰を理由に学習上、学校生活上の配慮を求められた際や、子どもが学校において他の子どもと異なる行動に及ぶことから、子どもが信仰の影響を受けていることを教職員が認識する場合もあり得る。家庭内での子どもの生活状況が第三者に認識されにくいことを考慮すると、学校はこれらの端緒を逃すことなく、的確に宗教等二世の問題を抱える子どもを把握できるよう努めるべきである。」

つまり、学校職員は、子ども本人からの相談や、家庭内に問題が存在することを示す具体的な兆候がない場合であっても何らかの行動をとれるのである。彼らは、宗教的な家庭環境で育っていることを示す兆候を探し、その兆候から問題の存在を推測するよう求められている。その最初のステップは、統一教会信者の家庭で育った可能性のある子どもを見つけ出すことである。そのための「宗教カルト関連心理相談ガイド」が、学校関係者に提供されている。


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