2009年の内部改革後、献金に関する係争事件はほぼゼロにまで減少した。
パトリシア・デュバル
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「霊感商法」:統一教会の日本人信者(教会自体ではない)が、幸運をもたらすと称して高額で販売していたとされる品物。
コンプライアンス宣言
高等裁判所は、いわゆる「新世事件」の後、教会が2009年2月および3月に、全国の教会指導者に対して2通の内部通知(いわゆるコンプライアンス宣言)を発出したと認定した。
これらには、とりわけ次のような内容が記載されていた。
- 商業的な販売活動は宗教法人の目的の範囲外であり、指導者はこれに関与してはならない。
- 献金を先祖の因縁と結び付けてはならない。
- 献金は信者の自由意思および経済状況を尊重しなければならない。
- 献金の受領主体が教会であることを明確にしなければならない。
これらの指示により、民事訴訟の件数は大幅に減少した。教会が被告となった民事訴訟のうち、請求が認容された最後の事案は、2014年9月に遡る事実に関するものであった。
しかしながら、高等裁判所は、それ以降に生じたとされる公共の福祉に対する害を裏付けるために、教会が締結した和解を不法行為の追加的な証拠として考慮した。
和解事案
裁判所は、「平成22年以降に抗告人の信者らにより不相当献金等勧誘行為等が行われたと認められる事案」と題する一章を設け、和解についての判断に充てた。
裁判所は、裁判所の勧告によるものであるか、民事訴訟外で成立したものであるかを問わず、すべての和解を教会による不法行為の証拠として考慮し、その結果、公共の福祉に及ぼした害は重大であり、近年においても継続していると結論付けた。
これに対し、法廷内での和解は証拠不十分であったために裁判所が勧告したものであるとの弁護士の主張に対して、高等裁判所は次のように応答した:「本件和解が、受訴裁判所の積極的な和解勧告により成立したものであるとしても、本件和解が成立した事実から、抗告人の信者らが、不法行為に該当する不相当献金勧誘行為等を行い、これらの不法行為につき、抗告人に損害賠償責任が成立することを認定することが許されないというものではない。」
これは裁判所の単なる推測にすぎず、不法行為の継続があったとする点を立証するものではない。
さらに、教会が、メディアによって犯罪組織であるかのように執拗に描かれていた状況下で、世論を鎮めるために成立させた訴訟外の和解についても、不法行為の証拠とみなすことはできない。
高等裁判所は、これらの和解契約を検討した上で、「不法行為が存在した可能性を否定できない」と結論付けた。
そして、このように単なる推測に基づくにもかかわらず、裁判所はこれらの合意の対象となったすべての請求者を「被害者」の総数に含め、また支払われたすべての和解金額を公共の福祉に対する侵害の評価に算入した。

解散命令が出る前の、東京にあった世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の本部。
コンプライアンス宣言の実施措置
裁判所はまた、コンプライアンス宣言の実効性および教会が講じた措置、さらにそれらを遵守する真の意図についても疑問を呈した。
裁判所は、コンプライアンス宣言を実施するために教会が採用した措置について、英語版の56ページから始まる約30ページを割いて検討している。すなわち、全国の教会のあらゆるレベルにおけるコンプライアンス宣言の配布および掲示、伝道活動に関するガイドラインや基準、行動規範、事務通達、牧会規則等の策定(2009年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2018年、2022年および2023年)である。
そして、過去17年間にわたり、単に指針を示すにとどまらず、その実施を監督することも目的としていたこれらすべての措置を無効化するために、裁判所は、それらの唯一の目的は民事訴訟および解散を回避することにあったとした。さらに、不当な資金集めの慣行の継続は、教会の予算構造そのものに由来するため不可避であると判断した。
不相当な勧誘の根本原因:予算
裁判所は、不相当献金勧誘行為の根本原因は、社会的に相当とされる範囲内の方法・態様では達成し得ない数値目標が設定されていた点にあると述べた。
教会が被告となった民事訴訟のうち、不法行為を認定する判決に至った直近の事案の基礎事実は2014年9月に遡る。
過去12年間にわたり、不法行為が立証されていないにもかかわらず、裁判所は、献金額の多寡そのものを理由として、用いられた手法が社会的に相当な範囲を逸脱していたと説明した。
そして裁判所は、献金額が「社会通念上」過度に高額な場合には、献金者に対して何らかの圧力が加えられていたに違いないと結論付けた:「また、本件確定判決で認定された抗告人の信者らによる不相当献金勧誘行為等は、対象者に対して相当の経済的負担や精神的苦痛を強いるものであることから、対象者が簡単に勧誘に応じるとは考え難く、対象者から強い抵抗を受けることも容易に予見されるものであって、こうした不相当献金勧誘行為等を信者らが、誰からも何らの働きかけを受けることもなく、自発的に行ったとは考え難い。信者らは、社会通念上相当な範囲を逸脱しない方法・態様による不相当献金勧誘行為等を行ったものと推認するのが合理的である。」
したがって裁判所は、このような水準の献金は社会的に相当な手段によっては達成し得ないとする、単なる推測に依拠した。
この裏付けのない前提に基づき、裁判所はさらに、教会が年次予算において数値目標を設定し続けていることを批判した。
これに対し教会側の弁護士は、予算は「献金目標」ではなく、この予算は各地域組織の前年度の実績に基づいて牧師らが作成した予算案に基づくものであり、教会本部が一方的に各地域組織に割り当てたものではないと説明した。
しかし裁判所は、この場合であっても、「予算に計上された献金収入額が、実質的に献金の数値目標として機能していることは否定し難い」と応答した。たとえ本件では、これらの数値目標が各地域教会によって設定されたと評価し得るとしてもである。
しかし、予算が地域ごとに決定されているのであれば、教会という宗教法人自体が「不適切な献金勧誘」の「根本原因」であるとはいえないことになる。
さらに裁判所は、理論上は教会が数値目標に基づいて献金を募ること自体は許されると認めつつも、その数値目標が適切な水準で設定されていない場合には問題となるとした。
そして裁判所は、「コンプライアンス宣言後の2010年以降においても、教会の予算上の献金収入は従前とほぼ同程度で推移していた」と認定し、近年においても教会の予算を達成するために、不当な圧力が加えられていたに違いないと推認した。
すなわち、裁判所の教会に対する主たる批判は、教会が従前と同程度の献金および収入水準を維持していた点にあり、しかもその金額自体が、不法行為にあたる勧誘行為をもたらしたに違いないとされたのである。
このような論理に基づき、裁判所は、教会が「不相当献金勧誘行為」の再発を防止するために十分な措置を講じていなかったと結論付けた(不相当献金勧誘行為の予防措置)。

先祖解放の儀式が行われる韓国の清平で役事を行う日本のチーム
不相当な勧誘の根本原因:宗教教義
裁判所は次に、教会が「因縁トーク」を終わらせたと主張している点を批判し、実際には類似の宗教的実践を継続していると指摘した。
裁判所は、韓国で行われている先祖解放のための儀式、すなわち先祖解怨式について審理し、その際に献金が集められていることに言及した。
そして、先祖がその因縁から解放されなければならないという信仰が、信者に恐怖を植え付ける手段として用いられ、その結果として献金を促していると描写した。
これは、いわゆる精神操作の理論のもう一つの例であり、宗教的信念の領域に対する許されざる介入である。
高等裁判所は、教会がその宗教教義を変更していないことから、公共の福祉に対する害が再び生じる可能性が高いと結論付けた。
上記の認定および論理に基づき、裁判所は「不相当献金勧誘行為の根本原因は教会そのものにある」と認定した。
裁判所は、「裁判所が把握していない不法行為に教会の構成員が引き続き関与していたと推認するのが相当である」と判示した:「その件数や損害額は必ずしも明らかではないものの、コンプライアンス宣言後も抗告人が従前と同水準の献金収入に関する予算額(目標額)を設定し続けていた事実に照らせば、コンプライアンス宣言後においても、不相当な献金勧誘行為の件数および損害額は従前と同程度で推移していたと推認するのが相当である。」
このような、把握されていない損害に関する決めつけは、教会が公共の福祉に及ぼしたとする害をさらに膨らませるものであった:「上記のとおり、コンプライアンス宣言後も抗告人の信者らにより不相当献金勧誘行為が継続して行われており、損害は、上記に限定されるものではないこと、上記財産上の損害の発生は、対象者だけではなく、その家族・親族にも影響を及ぼし得るものであることを考慮すれば、抗告人の信者による不相当献金勧誘行為等の結果は重大であるというべきである。」
高等裁判所は、以上の点を踏まえ、宗教法人法第81条第1項の解散要件は満たされていると結論付けた:「以上のような目的の不当性、不相当献金勧誘行為等の態様の悪質性及び結果の重大性に鑑みれば、抗告人の信者らの上記の行為は、宗教法人法81条1項1号にいう『著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為』に当たるというべきである。」

Patricia Duval is an attorney and a member of the Paris Bar. She has a Master in Public Law from La Sorbonne University, and specializes in international human rights law. She has defended the rights of minorities of religion or belief in domestic and international fora, and before international institutions such as the European Court of Human Rights, the Council of Europe, the Organization for Security and Co-operation in Europe, the European Union, and the United Nations. She has also published numerous scholarly articles on freedom of religion or belief.


