裁判所は、教会の解散が「民主主義社会において必要不可欠である」ことを証明できなかった。
パトリシア・デュバル
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ここで問題となるのは次の点である。すなわち、日本が公共の秩序や他者の基本的権利の保護を正当な目的として掲げるとしても、解散命令は民主主義社会において必要であり、かつ目的と釣り合うものであったのか、という点である。
本件解散は民主主義社会において必要であったか?
東京高等裁判所は、教会の信者による不適切な献金勧誘が「公共の福祉を著しく害」したとして、宗教法人の解散を命じた。
この措置が必要であったかを判断するためには、同裁判所がこの結論に至るにあたり採用した推論を整理する必要がある。
裁判所は、次の事実を認定した:「当該宗教法人は1964年に設立され、本部組織および地方組織を有し、2022年12月時点で全国に67教区および285教会を有していた。」
収入および予算
教会の収入の97%以上は信者からの献金によって構成されていた。
教会の予算は以下に基づき毎年策定されていた。
- 各部門(本部局、地区本部、教区本部、各教会)が前年度実績に基づき作成する予算案
- 本部各局の事業計画および海外宣教支援計画に基づく本部支出案
- 本部予算部門が、教会からの献金見込み額と支出案を調整し、全体予算案を作成し、理事会が承認
予算には翌年度の必要経費を賄うための献金目標額が含まれていた。
このような予算編成および全国的な献金見込み額の設定は、特段異常なものではない。
裁判所は、これらの献金が285教会の運営、1,933人の職員の雇用(2024年時点)、および2,441人の扶養家族の生活を支えていたことも認定したにもかかわらず、これらの金額が社会通念上の許容範囲と比較して過大であると評価した。
裁判所は、数値目標が設定されていることのみを理由として、これらの献金は「社会的相当性を逸脱する方法」によらなければ得られなかったし、将来も得られないと結論付けた。
教義・信条に対する評価
裁判所はさらに、教会の教義および創設者である文師の思想について6頁にわたる評価を行った。
裁判所は、文鮮明師および教会指導者が日本の信者から最後の一円に至るまで資金を引き出そうとして組織的に献金勧誘を行っていたことを示すために、宗教的信念および教義を審理した。一方においては、これらの資金が宣教活動や人道的事業の資金として用いられていたこと、そしてそれがあらゆる宗教において一般的かつ保護されるべき実践であることも認めながらである。
このような偏った評価は、国家の中立義務に照らして容認し難いものであり、文脈から切り離されたとされる引用に基づいている。裁判所はそこから、教会の唯一の目的は信者に対して個人的犠牲を払ってでも献金を促し、資金を集めることであると結論づけた。

過去の「霊感商法」に関する主張
裁判所は、教会活動外で信者が行った「霊感商法」についても審理した。
これらは教会代表や職員が関与していないため、「法令違反」の判断には用いられなかったが、事件を不利に描写する目的で言及されたものとみられる。
裁判所は、1970年代に統一教会の信者によって設立された私企業であるハッピーワールドについて審理した。同社の主たる事業は、高麗人参茶の訪問販売および韓国産大理石製壺の輸入・販売であった。
2名の販売員が、販売のために顧客に過度の圧力をかけたとして起訴され、1984年に執行猶予付きの懲役刑を言い渡された。同社は1987年に同種事業を停止した。
さらに裁判所は、2007年から2009年にかけて特定商取引法違反(すなわち訪問販売)に関して罰金を科した3件の略式命令にも言及した。
また、2009年11月10日には、裁判所が株式会社新世に対して罰金刑を、信者3名に対して執行猶予付きの懲役刑および罰金刑を言い渡した。
これらの事実は、教会の指導者やその職員に関わるものではなく、「法令違反」の存在を認定するにあたり裁判所によって考慮されたものでもない。
また、これらはいずれも数十年前に存在していた営利事業に関するものであり、2026年における非営利の宗教法人の解散と結び付けることはできない。
26件の民事判決
裁判所は公共の福祉に対する害を認定するため、むしろ、1979年から2014年までの事実に基づく26件の民事判決に依拠した。これらは主に、強制的に脱会させられた元信者による訴訟である。
これらの判決は、「社会的相当性」を逸脱した献金勧誘を理由として教会の不法行為責任を認めた。
この行為は「不相当献金勧誘行為」と分類され、以下の告発内容が含まれていた。
- 一般向けの導入セミナーにおいて教会の名称・正体を秘匿したこと、
- 「因縁」などに言及して不安を煽り、一般の人々から宗教的献金を得たこと、
- それにより、献金者の自由意思および選択の自由を侵害したこと。
殆どの原告の証言が強要下で行われ信用性に欠けるものであることを度外視したとしても、これら26件の民事判決において問題とされた事実は、1979年から2014年にまで遡るものであり、他に何らかの必要性が認められない限り、現時点において解散というような極めて重大な措置を正当化することはできない。
特に、これらは教会が2009年に発出した「コンプライアンス宣言」以前の時期に属するものであり、この宣言において教会は、関係法令の遵守および同様の問題の防止を目的とした具体的な指示を示していた。

Patricia Duval is an attorney and a member of the Paris Bar. She has a Master in Public Law from La Sorbonne University, and specializes in international human rights law. She has defended the rights of minorities of religion or belief in domestic and international fora, and before international institutions such as the European Court of Human Rights, the Council of Europe, the Organization for Security and Co-operation in Europe, the European Union, and the United Nations. She has also published numerous scholarly articles on freedom of religion or belief.


