BITTER WINTER

日本における統一教会を標的とした人道に対する罪 1. ディプログラミング

by | May 7, 2026 | Documents and Translations, Japanese

信者に対する人権侵害は、国際刑事裁判所に関するローマ規程における「人道に対する罪」の基準を満たす可能性がある。

ハビエル・ルイスとクリスティアン・ゴンサレス

Read the original article in English.

Takashi Miyamura, one of the most notorious Japanese deprogrammers.
日本で最も悪名高いディプログラマーの一人である宮村峻

最も基本的な人権基準の下では、いかなる者も適正手続なくして自由を奪われないという原則は自明のものである。この原則は極めて根本的なものであるため、平時においてこの原則に対する侵害が組織的に、しかも国家機関の黙認のもとに行われる場合、法が認める最も重大な国際刑事責任類型に属することとなる。したがって、余りにも長きにわたり本来保障されるべき厳密な審査から免れてきた日本の状況に関し、私達は極めて重大な問題として読者に注意喚起を促したい。

ハーグを拠点とする国際刑事法の実務家として、私たちは、国境なき人権(Human Rights Without Frontiers) の報告書、Bitter Winter 掲載記事、被害者の証言記録、国連の自由権規約人権委員会の総括所見、日本の司法手続の公的記録といった相当量の公的資料を検討し、さらに国際刑事裁判所および旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の関連判例法も併せて分析した。その結果極めて憂慮すべき全体像が浮かび上がった。

信頼に足る証拠によると、日本における世界平和統一家庭連合の信者に対して、数十年にわたり組織化された一連の活動が行われてきたことを示している――それは、いわゆる「ディプログラミンッグ(脱洗脳)」と婉曲的に呼ばれるところの、信者に対する拉致・監禁であり、全国霊感商法対策弁護士連絡会による組織的法廷闘争に組み込まれ、国家により黙認され、近年ではそれが活発な敵対的組織活動へと固まってきているように見受けられる。私たち専門家が熟慮した結果として、これら一連の行為は、ローマ規程第7条の下に規定された少なくとも三つの人道に対する罪の類型、即ち、拘禁または身体的自由の重大な剥奪、迫害、そして強制失踪との関係で重大問題となる。

「ディプログラミング」とは拉致・監禁にほかならない

「ディプログラミング(脱洗脳)」というのは、実質的には、個人に対する宗教的信仰の棄教強要目的で行われる強制的拉致・監禁行為であるが、これをあたかも臨床的であるかのような装いで表現する言葉である。2024年に国連特別報告者に提出された報告書、ならびに国境なき人権(Human Rights Without Frontiers)が2011年に公表した報告書『日本:宗教的改宗を目的とした拉致・拘束』によれば、この活動は1980年代に始まって以来、4,300人を超える被害者を生み出してきた。また、この行為は、『統一協会の素顔(その洗脳の実態と対策)』(1990年)や特定の牧師による類似の出版物などの出版された指導マニュアルに基づいて実行されており、さらに、法律専門家が提供した正当化の枠組みによって助長されてきた。

記録されている実行手口は、不気味なほど一貫性がある。家族は、ディプログラミングを行う者や一部のプロテスタント系キリスト教牧師の指示に従い、教会員、それも多くの場合、成人した自分の子をおびき出すか、あるいは物理的に拉致し、鉄格子の付いた窓、施錠された扉、外部の視界を遮断したアパートや施設に監禁する。監禁期間は数週間から数ヶ月に及び、少なくともBitter Winterによって公開された記録の一例では、12年以上に及んだ。この期間中、被害者は棄教強要に向けた継続的心理的圧迫、そして多くの場合、身体的暴力にさらされた。

小出浩久医師の事例は、特に示唆に富む。公に報告されたところによれば、小出医師は1992年6月13日に強制的に拉致され、窓が開かないよう金属製の格子が設置された部屋に監禁され、棄教強要の圧力にさらされながら10ヶ月以上にわたり監禁されている。東京高等裁判所に申立てられた人身保護請求が受理されたにもかかわらず、その通知は無視され、家族は彼を別の場所へ移送するよう指示した。彼は最終的に、脱会を偽装して初めて解放された。これらは自主的関与や治療的関与といった性質のものではない。むしろそれは違法監禁の典型的特徴を備えており、国際法上は拷問と評価され得る要素さえ含んでいる。

Dr. Hirohisa Koide tells his story at the United Nations in Geneva, 2025.
2025年にジュネーブの国連で自身の体験を語る小出浩久医師

ローマ規程第7条:適用可能な法的枠組

日本は2007年7月17日にローマ規程に加入し、その領域および国民は国際刑事裁判所の管轄下に置かれることとなった。ローマ規程は、人道に対する罪が武力紛争の状況下で行われることを要件としていない。国際刑事裁判所(ICC)予審部は2014年のグバグボ決定において、第7条にいう「攻撃(attack)」は、広範性または組織性を充たす行動の一部である限り、「民間人に対するあらゆる不当な取扱い」を含み得るということを確認した。さらにカタンガ事件の第一審部は、この用語が、より広範な不当取扱いの行動の一部を構成する限りにおいて、暴力的行為のみならず非暴力的行為も含むことを明らかにした。

問題は、家庭連合の信者に対する一連の行為が、「広範性(widespread)」または「組織性(systematic)」のいずれかの要件を満たすかである。ローマ規程の下では、そのいずれか一方が立証されれば足りる。公的証拠に照らせば、両要件はいずれも満たされる。

広範性(Widespread):国連特別報告者に提出された報告書によれば、「ディプログラミング」の被害は数十年で4,300件を超えており、日本全国の個人に及んでいる。このような被害規模は、ベンバ事件およびケニア情勢に関する判例法において確立された量的基準を充たすものである。後者においては、国際刑事裁判所の予審部が、(広範性は)被害者数、損害の程度、地理的範囲といった要素との関係で決まることを明確にしている。これは、独立した個別事案が問題となる場合ではなく、宗教的帰属によって特定される民間人団体の相当部分に影響を及ぼす一貫した行動パターンが問題となる場合である。

組織性(Systematic):この一連の行為の組織性・計画性は、公的に記録された資料から同様に明らかである。ディプログラミングは出版された指導マニュアルに基づいて実施されており、特定の牧師、家族、弁護士の間で組織化されていた。全国霊感商法対策弁護士連絡会は、一定の組織的役割を果たしていた可能性がある。国際刑事裁判所のカタンガ事件判例は、「一貫した手法による犯罪の組織的・計画的実行」という事実に基づいて「組織的攻撃」があったと認定している。また、グバグボ事件の予審部は、「類似した犯罪行為が、偶然にではなく定期的に反復されること」を示す「犯罪パターン」によって組織性が裏付けられるとした。日本におけるディプログラミングに関して公的に記録されたパターンは、これらの定義に明確に合致する。

日本国が果たした役割:黙認から積極的敵対へ

日本国家の関与が記録されている点で、この状況は、深刻な国内問題の域を超え、国際刑事法上の意義を持ち得る問題に高まる。国連の自由権規約人権委員会は、2014年の日本に関する総括所見(CCPR/C/JPN/CO/6)において、「新宗教運動への改宗者が、ディプログラミングのために家族によって拉致・強制的に拘禁されているとの報告」に対する憂慮を明示的に表明し、日本に対して「宗教または信念を持つ自由または採用する自由を損なう強制を受けない権利を、すべての者について保障するための適切な措置を講ずるべきである」と指摘した。

しかしながら、公に入手可能な記録によれば、日本の警察は複数の報告を受けながらも、ディプログラミング事案への介入を一貫して拒否し、これらを「家族の問題」と位置付けてきた。また、被害者による正式な告訴が数十年にわたり提出されてきたにもかかわらず、検察当局による適切な刑事捜査は開始されなかった。国境なき人権(Human Rights Without Frontiers)は、2011年の報告書においてこのパターンを詳細に記録し、日本当局が強制的改宗の被害者保護を組織的に怠っている点を指摘している。

最近では、公に入手可能な証拠は、日本政府が単なる黙認の段階を超えたことを示唆している。2022年7月の安倍晋三元首相の暗殺後、文部科学省は、宗教法人法に基づき家庭連合の解散を求める手続を開始した。2022年12月27日に公表された「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応」に関する政府ガイドラインや、2024年1月の「旧統一教会被害者支援」計画は、不均衡に、ほぼ専ら一つの宗教団体を標的としているとして公に批判されている。さらに、Bitter Winterが公表した報告には、2022年以降の政治的状況下で学校や職場において教会員に対する差別が生じている事例が記録されている。

ローマ規程の下では、公的地位のゆえに免責されることはないという法が確立している。同規程第27条は、公的地位がいかなる場合においても刑事責任を免責するものではないことを明確に規定している。この原則は、ニュルンベルクで確立され、同規程において明文化されたものであり、国家元首、閣僚、選挙で選ばれた代表者に関わらず等しく適用される。

The International Criminal Court in The Hague. Credits.
ハーグの国際刑事裁判所Credits.

三つの人道に対する罪:公的に記録された事例

第1 拘禁または身体的自由の重大な剥奪(第7条1項(e))。

公的に入手可能な報告書および被害者の証言調書に記録されているディプログラミングの実践は、拉致、施錠された部屋における監禁、身体的暴力、そして宗教的信仰の棄教強要のための心理的強制を伴う。これは、その性質上、国際法の基本原則に違反する重大な身体的自由の剥奪に該当する。国際刑事裁判所のカタンガ事件(第一審判決第1155段落)およびオンウェン事件(第一審判決第2778段落)は、加害者が広範な攻撃を分かって行っている限り、この犯罪が単なる物理的監禁だけにとどまらず、重大な移動制限を含むことを確認している。

第2 迫害(第7条1項(h))。

個人の宗教団体への帰属を理由に身体的暴力、自由剥奪、財産侵害、社会的排除、及び差別的国家行為を総合的に行うことは、ローマ規程において概念規定された迫害に該当する。旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)はタディッチ事件第一審判決(第694段落、第704段落)において、迫害という犯罪には身体的暴力から差別的政策に至るまでが幅広く含まれ得ることを認めており、それらが基本的人権に対する重大な剥奪をもたらす限りにおいてこの罪が成立するとした。文書によって公開された証拠には、ディプログラミング、職場における差別、信者の子どもに対する学校でのいじめ、教会財産の破壊、そして法人組織の解散請求が記録されており、これらは、特定の宗教集団に対して統合された差別的意図による、まさにこのような範疇の行為に該当することを示している。

第3 強制失踪(第7条1項(i))。

特定のディプログラミング事例の記録によれば、被害者は拉致され、所在が秘匿された場所に拘束され、教会や他の信者がその所在を把握できない状況に置かれた。国境なき人権(Human Rights Without Frontiers)は、一部の事例では教会が行方不明となった信者の所在を突き止めるために私立探偵を雇わざるを得なかったと報告している。国際法において認識されている「二重の効果」、すなわち、被害者の自由の剥奪と、それを探す者に対する情報の意図的な不提供とは、記録上の事実において明確に認められる。すべての人を強制失踪から保護するための国際条約(2006年、第2条)はこの二重の要素を成文化しており、さらにICCの第7条1項(i)に関する犯罪の構成要件も、自由を剥奪してその事実を認めないこと、または、被害者の消息に関する情報提供の拒否を要件としている。

全国霊感商法対策弁護士連絡会:擁護活動を越えて

公的記録から明らかとなる本件の顕著な特徴の一つは、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の役割である。Bitter Winterその他の研究者の報告に記録されているとおり、その関与は通常の法的代理活動の範囲を超えている。公開されている証拠から、全国弁連の弁護士らは、単に誠実に申立人を代理することを越えて、むしろ、ディプログラミングの枠組みの促進、不法行為訴訟の手段化、そして解散手続の追求を組み合わせることによって教会を解体するという、組織化された戦略に関与していたことを示唆している。

公表された報告によれば、全国弁連の弁護士らはディプログラミングの実践を法的に正当化し、教会員が他の信者に付与した代理権の撤回を促し、さらに、違法な拘束によって意思を抑圧された脱会者を用いて教会に対する民事訴訟を行い、自発的に行われた献金の返還を求めさせたとされる。全国弁連に所属した弁護士の一人は、日本では「カルト宗教だと負けという裁判所の枠組みたいなもの」があると発言したと報じられている。これが事実であるならば、それは法の支配ではなく、ある団体が「カルト」と位置付けられることによって訴訟の結論が予め決定するという、別の司法システムが機能している事実を暴露するものである。

さらに、産経新聞は2025年2月、解散命令申立事件に陳述書を提供した複数の証人が証言を撤回したと報じており、解散手続を正当化するために用いられている訴訟の証拠的基盤に重大な疑問を投げかけている。

Attorneys Masaki Kito (left) and Hiroshi Yamaguchi (right), leading members of the National Network of Lawyers Against Spiritual Sales. Screenshot.
全国霊感商法対策弁護士連絡会の主要メンバーである弁護士の紀藤正樹氏(左)と山口広氏(右)。スクリーンショット。

補完性:ICCの管轄権が適切に適用される理由

ICCは補完性の原則に基づいて機能する。すなわち、国内の当局が真に捜査・訴追を行う意思または能力を欠く場合にのみ発動する(ローマ規程第17条1項(A))。本件では、補完性の観点を分析すると受理可能と判断される。日本の当局は、ディプログラミングの実行者を訴追しなかったにとどまらず、入手可能な証拠に照らせば、より広範な一連の活動を助長してきた。ディプログラマーに対する正式な刑事捜査が行われたことはなく、加害者はいまだに責任を問われていない。違法な拘束の助長に寄与した全国弁連の弁護士が責任を問われたこともない。むしろ国家は逆の方向に動き、被害者の共同体そのものの解散を目指している。

国家が単に不作為であるにとどまらず、むしろ共謀的関与をしているように見えるこのような構図こそが、ローマ規程が適用を意図した対象である。ICCの設立者達は、最も危険な状況は国家が訴追能力を欠く場合ではなく、訴追意思を欠く場合、あるいはさらに悪いことに、国家自身がその行為パターンに関与している場合に生じることを理解していた。

結論

法の支配は、説明責任を要求する――それは、遠方の紛争地域で行われた犯罪に限られるものではなく、憲法に基づく統治を誇る繁栄した民主国家において組織的に行われる権利侵害にも及ぶ。公に入手可能な証拠は、日本において宗教的少数派に対し国家によって助長された組織的・継続的な一連の行為が、ローマ規程において概念規定された人道に対する罪の構成要件に該当する可能性を強く示している。

被害者は数千人に上り、自国の法制度が提供を拒んできた正義を得るために数十年待たされてきた。国連は懸念を表明した。国際的な研究者は虐待を記録してきた。そして、この状況は今なお継続している。

国際刑事裁判所は、まさにこのような、国内制度が機能しないときの最後の拠り所としての裁判所として存在する。検察が日本の状況について捜査に値すると判断するか否かは、今後の問題である。しかし、公に入手可能で信頼性のある証拠に基づけば、正式な捜査を行うべき理由は十分に存在する。そして、責任追及を行う義務は、それがどのような結論に至ろうとも、またその結論がいかに不都合なものであろうとも、単なる法的義務にとどまらない。それは道義的要請である。


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