韓国の牧師、日本の左派弁護士、そして北京の共産党官僚が、保守的な宗教に対抗する統一戦線を形成している。これまでのところ、その戦線は成果を上げている。
マッシモ・イントロヴィニエ
*2026年10月11日、台湾・台中で開催されたCESNUR国際会議での発表文。
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政治は奇妙な者同士を結びつけるというが、反カルト運動が結びつける顔ぶれは、それ以上に奇妙である。2025年から2026年にかけて、東アジアでは信教の自由が危機にさらされた。しかし、この問題に対する国際社会の関心は、その深刻さに見合うものではなかった。日本では、統一教会(現在は世界平和統一家庭連合と呼ばれる)に対し、解散命令が下された。東京地裁が2025年3月に解散を命じ、2026年にはその決定が確定した。韓国では、家庭連合の指導者である韓鶴子総裁と、新天地の李萬熙会長が拘束・起訴された。
これらの出来事は広く知られているが、そこに中国がどのように関与してきたかは、あまり知られていない。とりわけ重要なのが、2000年に設立された中国反邪教協会を通じた関与である。同協会は世界最大の反カルト団体を自称しており、その規模については確かにその通りだ。しかし、市民団体とはとうてい言い難く、実態は統一戦線を通じて活動する中国共産党の一組織である。小さな村々にまで代表者を置き、大都市では集合住宅の数区画ごとに代表者を配置している。欧米の反カルト団体がいかに熱心に活動していても、これほどのボランティアネットワークを築くことはできない。もっとも、彼らを「ボランティア」と呼ぶのが適切かどうかは、別の話だが。
韓国の反カルト運動は東アジアで最も攻撃的で、そのルーツは福音派にある。1998年、長老派を中心とするプロテスタントの牧師たちが「基督教異端相談所協会」を設立した。彼らが懸念したのは、自分たちの教会の信徒が統一教会や新天地へ移ることだった。これを「羊泥棒」と呼んで非難したが、こうした不満は、宗教間で信徒をめぐる競争が始まった頃から存在している。その後、同協議会は「基督教異端対策協会」に名称を変更した。「相談」から「対策」への改称は、ディプログラミング(強制棄教)を含む、より積極的な活動への転換を示していた。2000年代には海外の牧師を招くようになり、2012年には「キリスト教異端対策委員会」として活動を国際的に広げた。2015年には、オーストラリアにも法人格を持つ支部を設立した。
ディプログラミングとは、好ましくない宗教団体の成人信者を拉致し、信仰を捨てるまで監禁する行為である。米国で始まり、その後、日本でも広まった。米国と欧州では、数十年前に裁判所の判断によって、こうした行為に終止符が打たれた。日本でも、12年以上にわたって監禁された統一教会信者・後藤徹氏の事件を機に、ほぼ行われなくなった。この事件では、2014年に東京高裁が監禁に関与した者たちの法的責任を認め、2015年に最高裁で判決が確定した。韓国は、2020年代に入ってもディプログラミングが続く唯一の民主主義国である。しかし、司法判断は一貫していない。明白な身体的暴力を振るったディプログラマーには有罪判決が下される一方、親が成人した息子や娘を閉じ込めても、それだけでは通常、責任を問われず、捜査当局もこうした行為を黙認することが多い。
韓国では日本と同じく、牧師がディプログラミングを担っている。この点は米国とは異なり、主要な教派の教会から支援を受けることも多い。ただし、標的となる宗教団体には日本との違いがある。日本では統一教会が主な標的となったが、韓国では統一教会信者の被害は報告されていない。その背景には、信者の世代構成がある。韓国の家庭連合では、若い信者の圧倒的多数が、信者の親のもとに生まれた二世である。親自身も信者であるため、ディプログラマーを雇おうとは考えないのだ。一方、新天地では、若い信者の多くが福音派の親を持ち、これまでに数千人がディプログラミングの被害に遭っている。ほかにも、神様の教会世界福音宣教協会や、「摂理」としても知られるキリスト教福音宣教会、さらにはエホバの証人も標的となってきた

中国がこの動きに加わったのは、韓国の代表団が深圳で開催された反カルト・シンポジウムに参加した2007年のことである。それ以前から関与していた可能性もある。以来、中国の代表者が韓国の反カルト集会に出席する一方、韓国側も中国の集会に招かれるなど、相互交流が続いている。中国反邪教協会も、韓国での行事を広く紹介してきた。一見すると、これは奇妙な協力関係である。韓国の福音派の反カルト活動家は強固な反共主義者であり、本来なら、中国でキリスト教徒を迫害する無神論政権を敵視するはずだからである。しかし実際には、双方とも「敵の敵は味方」という古くからの原則に従っている。
なぜ中国共産党は、韓国の反カルト活動家を支援するのか。主な理由は四つあると私は考える。第一に、新天地を含む韓国の教会や新宗教運動が、中国で宣教活動を行ってきたことがある。中国ではこうした活動は違法であり、北京当局は問題を根元から絶とうとしている。第二はイデオロギー上の理由で、とりわけ統一教会に関係する。その反共活動ゆえに、統一教会は中国共産党から敵視されてきた。
第三の理由は、難民に関わる。中国国民はビザなしで済州島に入れるため、中国で宗教迫害を受けた多くの信者が、このルートを使って韓国に逃れ、庇護を求めた。彼らは韓国で、耳を傾けてくれる人々に、母国での逮捕や拷問の経験を語った。こうした証言が広まることを嫌った北京当局は、韓国の反カルト活動家を動員し、難民の受け入れに反対する街頭デモを行わせた。反イスラムを掲げる右派活動家の協力も得て、この運動は成果を上げた。韓国は庇護政策を厳格化し、難民を中国に送還し始めたのである。全能神教会(CAG)には、かつて韓国に数百人の中国人信者がいたが、現在、同国に残っているのはごくわずかである。他の信者たちは世界各地に散らばり、その多くがイタリアに身を寄せている。イタリアでは、国外退去となった信者はごく少数にとどまっている。
第四の理由は、情報収集である。一部の反カルト活動家が中国の情報機関の工作員として活動していることは、裁判所も認定している。では、この協力関係を担う中心人物たちを見てみよう。中国側で韓国との交流に関わっているのは、湖北省反邪教協会の徐涛(シュー・タオ)、中国東北大学教授の陳徳権(チェン・ドーチュエン)、中国人民公安大学で警察官に「カルト」対策を教える張純俐(チャン・チュンリー)らである。張氏はかつて、英国の社会学者アイリーン・バーカーと長時間にわたって対話を重ねたことがある。もっとも、その対話から彼女がどれほど学んだのかは定かではない。
韓国側の中心人物は二人いる。その一人が、雑誌『宗教と真理』とウェブサイト「churchheresy.com」を運営するオ・ミョンオクである。彼女は、全能神教会(CAG)の難民を標的とした活動や、統一教会、新天地に反対するデモをたびたび支援してきた。こうした活動は、イタリアで全能神教会信者の難民認定をめぐる裁判でも取り上げられた。ローマ裁判所は2024年6月14日の決定で、イタリアの情報機関が彼女を中国の「特別工作員」としていることを言及した。奇しくも、その日は私の誕生日だった。誕生日の贈り物には、いろいろな形があるものだ。

もう一人の中心人物で、このネットワークの要となっているのが、世界基督教異端対策協会の現会長、ジン・ヨンシク牧師である。彼には有罪判決を受けた過去がある。2007年、ディプログラミングの一環として、神様の教会世界福音宣教協会の信者を違法に精神科施設へ送り込んだとして起訴され、懲役10カ月、執行猶予2年の判決を受けた。2012年の調査では、ディプログラミングを事業として行い、10億ウォン以上、当時の換算で約8,700万円の収入を得ていたことが明らかになった。2023年以降、ジン氏はスペイン、ドイツ、モンゴルなど世界各地で、新天地や統一教会を非難する講演を行い、中国による全能神教会や法輪功への弾圧を支持してきた。しかし、韓国のキリスト教牧師が、信徒をめぐって競合するわけでもない中国の精神修養運動・法輪功に、なぜこれほど関心を寄せるのだろうか。そして、各国を巡る費用は誰が負担しているのか。私は、この二つの問いの答えは同じではないかと考えている。
この奇妙な協力関係の三つ目に該当するのが、日本である。日本側の協力相手は、1987年に設立された全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)だ。調査報道ジャーナリストの福田ますみ氏の取材では、その設立者たちが共産党系または社会党系の弁護士であったことが明らかになっている。全国弁連は、日本の政治で一定の勢力を持つ日本共産党と、密接な関係を保ってきた。北京当局にとって、日本の左派弁護士は、韓国のキリスト教原理主義者よりもはるかに手を組みやすい相手である。中国との協力を躊躇させるような、反共主義の信条を持たないからだ。
2022年7月8日の安倍晋三元首相の暗殺をきっかけに、日本では統一教会の解散へとつながる運動が始まった。実行犯の山上徹也は、母親が同教会の信者で、教会と友好関係にあった安倍氏を罰するために銃撃したと主張した。全国弁連は素早く動き、その運動は間もなく韓国にも広がった。事件からわずか2週間後の7月22日、全国弁連の渡辺博弁護士は、韓国でディプログラマーとして悪名高いオ・ミョンヒョン牧師とともにソウルで開催された記者会見に参加し、韓国でも統一教会への対策を講じるよう求めた。オ氏は、同年に井邑(チョンウプ)で起きた殺人事件に先立ち、ある男性に、新天地の信者である元妻にはディプログラミングが必要だと説いていた。その男性は後に、元妻とその姉妹を殺害している。
2022年12月15日には、キリスト教の牧師たちがソウルで会議を開き、韓国にもフランス型の反カルト法を導入するよう訴えた。渡辺氏はこの会議にも出席し、統一教会への反対運動に長年携わってきた元国会議員の有田芳生も共に参加した。ちなみに、日本では珍しい「芳生(ヨシフ)」という名前は、ヨシフ・スターリンにちなんで付けられたものである。スターリンの名は、ロシア語では「イオシフ」と発音する。2025年5月13日にはソウルで、日本の牧師9人が日韓のディプログラマーとともに、「韓国発の異端・似而非宗教団体対策に関する協力協定」を発表した。

2025年8月、大田(テジョン)の牧園大学で、この三者同盟にとって重要な会合が開かれた。世界基督教異端対策協会が主催する「国際似而非・異端学術交流フォーラム」である。会合は非公開のままにしておくはずだった。韓国のメディアは一切報じず、大学のウェブサイトにも情報は掲載されなかった。ところが、主催者にとっては不運にも、中国のメディアが写真や参加者名簿まで添えて詳しく報じた。中国のメディアなど、誰が読むのかということだろう。まあ、私は読んでいるが。
会合ではジン・ヨンシク牧師が議長を務め、韓国の反カルト活動家たちが参加した。日本から出席したのは、研究者の中西尋子である。中西氏は、統一教会批判で知られる櫻井義秀教授とともに、家庭連合を批判する本を執筆している。中国からは張純俐、陳徳権のほか、徐涛が今回は中国反邪教協会の代表として参加した。政府の統制下にある三自教会の李京虎も出席し、さらにドイツからは福音派の反カルト牧師が加わった。参加者たちは特に、韓国の家庭連合に対して断固たる措置を取るよう求めた。その要求に応える動きは、間もなく現れた。2025年9月、韓鶴子総裁が逮捕されたのである。
この話には、韓国ドラマさながらの意外な展開がある。李在明政権は、2025年から2026年にかけて家庭連合と新天地に厳しい措置をとった。それだけでなく、LGBTなどの問題で大統領に反対する保守的な福音派教会にも矛先を向けた。その多くは、かつては反カルト運動に関わっていた教会である。当局は、汝矣島(ヨイド)純福音教会を家宅捜索し、同教会はその後、大統領と和解した。キム・ジャンファン牧師も捜査の対象となり、ソン・ヒョンボ牧師は収監され、有罪判決を受けた。ソン牧師はすでに釈放されているが、今も圧力にさらされている。ソン牧師の家族は勇敢にも、韓鶴子総裁を支持する声を上げた。つまり、反カルトの思想が今や、それを生み出した人々の一部にも牙をむいているのである。『フランケンシュタイン』の著者メアリー・シェリーなら、この筋書きに見覚えがあるだろう。
まとめとして、韓国のキリスト教根本主義者、日本の世俗的な左派活動家、そして中国の共産党当局。この三者を結びつけているのは、実利を優先した同盟である。思想は大きく異なっていても、「カルト」という共通の敵がいる。今後、LGBT問題や李大統領と一部の福音派との対立が火種となり、同盟に亀裂が入る可能性はある。しかし、これまでのところ、この協力関係は機能している。家庭連合や新天地に対する措置、そして李大統領による異端排斥運動は、反カルトの手法が政治的弾圧や中国の地政学的戦略に転用され得ることを示している。それは地域の不安定化を招き、信教の自由を深刻な危険にさらしている。目的を達成しつつある同盟に対して、普通は「順調に進んでいる」と評するだろう。しかし、この同盟については、「悪い方向へ順調だ」と言いたい。

Massimo Introvigne (born June 14, 1955 in Rome) is an Italian sociologist of religions. He is the founder and managing director of the Center for Studies on New Religions (CESNUR), an international network of scholars who study new religious movements. Introvigne is the author of some 70 books and more than 100 articles in the field of sociology of religion. He was the main author of the Enciclopedia delle religioni in Italia (Encyclopedia of Religions in Italy). He is a member of the editorial board for the Interdisciplinary Journal of Research on Religion and of the executive board of University of Pennsylvania Press’ Nova Religio. From January 5 to December 31, 2011, he has served as the “Representative on combating racism, xenophobia and discrimination, with a special focus on discrimination against Christians and members of other religions” of the Organization for Security and Co-operation in Europe (OSCE). From 2012 to 2015 he served as chairperson of the Observatory of Religious Liberty, instituted by the Italian Ministry of Foreign Affairs in order to monitor problems of religious liberty on a worldwide scale.


