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米国で強制労働法と宗教が衝突:国連への提出文書が警鐘

by | Sep 2, 2026 | Documents and Translations, Japanese

新たに国連に提出されたNGO声明は、人身取引法の拡大解釈によって、スピリチュアル共同体が危険にさらされると警鐘を鳴らしている。

マッシモ・イントロヴィニエ

Read the original article in English.

Thierry Valle and Christine Mirre of CAP-LC.
CAP-LCのティエリー・ヴァレ氏とクリスティーヌ・ミール氏。

国連経済社会理事会(ECOSOC)の協議資格を有する二つのNGO、「民主主義と開発のために行動する市民」(CADD)と「良心の自由のための団体と個人の連携」(CAPLC)は、2026年8月10日、共同声明をジュネーブの国連人権理事会に提出した。

この声明は、米国における強制労働法の適用のあり方に懸念を示している。近年の司法判断では、人身取引被害者保護法(TVPA)の適用範囲が、宗教やスピリチュアルな共同体に関わる領域にまで拡大しているという。両NGOは、こうした傾向を踏まえ、法律の適用範囲をより明確にする必要があると主張している。

声明が焦点を当てているのは、「ワンテイスト事件」、または「米国 vs チャーウィッツ事件」として知られる連邦刑事事件である。声明によれば、検察は深刻な危害の存在を立証するため、「心理的操作」や「霊的圧力」に関する理論を用いた。その一方で、「身体的な拘束があったとは主張されておらず、参加者は自由に離れることが出来ることを認識していた」と指摘している。検察は、共同体から排除されることへの恐れや、霊的な不利益を受けることへの不安だけでも、強制労働を成立させるのに十分だと主張した。CAPLCとCADDは、このような解釈によって、通常の宗教的な規律や共同体への帰属意識、自発的な奉仕活動までもが、「強制」の要素として扱われるおそれがあると警告している。

OneTaste’s founder Nicole Daedone.
ワンテイストの創設者、ニコール・デードン氏。

両NGOは、裁判所や学術専門家によって長年否定されてきた「洗脳」理論が、訴訟や連邦政府の研修資料の中で再び用いられるようになっていると指摘する。こうした理論は歴史的に、少数派宗教に偏見を植え付け、証拠に基づかない介入を正当化するために利用されてきたと警告している。また国連人権理事会が、搾取の防止を目的とする措置であっても、正当な宗教活動を侵害してはならないとの見解を示していることにも言及している。

声明は、「信仰生活には、共同体との強い結びつきや道徳的義務、信者が自らの意思で受け入れている一定の規律が伴うことが多い」と指摘する。これらは、明らかに強制労働に当たる行為が認められない限り、「強制」とみなすべきではないとしている。

さらに文書は、連邦議会が現在、人身取引被害者保護法(TVPA)の再承認を検討していることを報告し、二つの修正案を提案している。第一は、「深刻な危害」の定義を明確にすることである。宗教的な教えや霊的な助言、自発的な共同体実践は、法令に違反して労働を搾取する目的で行われていない限り、強制労働とみなされないよう、定義を限定する原則を設けるべきだとしている。第二は、連邦政府の研修資料に関するものである。研修資料には信頼性を確保するための基準を設け、裁判所や科学機関によって既に否定された手法については、個別の検証を通じて信頼性が新たに認められない限り、研修資料から除外すべきだとしている。

声明の全文(PDF)はこちらからダウンロードできます。

両NGOは、これらの改正によって、人身取引被害者保護法(TVPA)の本来の目的を損なうことなく、暴力や詐欺、身体的拘束、身分証明書の取り上げ、搾取などを伴う実際の人身取引を、引き続き適切に訴追できると主張している。同時に、同法が連邦議会の想定を超えて適用されることを防ぎ、信仰そのものを「強制」の証拠とみなす理論から宗教共同体を守ることにもつながるとしている。

声明は最後に、次のように結論づけている。「TVPAの適用範囲を明確にすることは、本来の取り組みをより確かなものとし、さらには、こうした搾取を防ぐための措置が、宗教・スピリチュアル共同体の権利を意図せず損なうことのないようにするものである」。


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