2009年、将来の殺人犯を含む山上家全員が統一教会と和解し、5000万円を取り戻した。
マッシモ・イントロヴィニエ
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2022年に安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也被告の裁判がついに始まった。弁護側証人の中で、ある人物の名前が浮かび上がっている。山上被告の母親だ。
そう、彼女の統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)への献金によって家族が破産したと山上が非難し、その教会を支持したことを理由に安倍氏を成敗しようとした、まさにその母親である。彼女は法廷で証言する予定で、おそらく息子の量刑を可能な限り軽くしようとしているのだろう。証言台には、反統一教会派として知られる学者もいる。「Bitter Winter」は、この学者が信用を失った反カルト思想を唱え、中国の反カルト主義者とさえ協力していると繰り返し批判している。
山上の母親は今も教会の信者である。そして、どのメディアも報じていないが、「Bitter Winter」が記録している事実がある。すなわち、2009年に山上家は暗殺者自身を含め、統一教会の地元の信徒会と和解し、すべての請求を放棄したということだ。
2009年5月22日に署名された和解文書では、信徒会は家族に5000万円を支払うことが義務付けられていた。山上徹也本人も、母親、妹、弟と共にこの和解文書に署名した。和解文書には、信徒会が義務を履行すれば、山上徹也の母親による献金に関して、家族は教会またはその関係者に対して、民事責任または刑事責任を問わないと明記されていた。
当事者双方は、合意内容を超える権利も義務もないことを確認した。支払いはその後数年にわたって行われ、教会員もそれに貢献した。山上夫人自身が献金は自発的なものであることを確認し、その後も献身的な教会員であり続けたが、この和解は親族の経済的困難に対処するために行われたものであった。
山上夫人は2002年に破産した。その20年後、息子が安倍氏を殺害した。その間、教会は家族に5000万円を支払っていた。では、なぜ2022年にこの事件が起きたのだろうか?
この問いは、タイミングを考えるとさらに切実なものになる。山上徹也は20年間も待ち続けた。彼は和解文書に署名したが、それでも待ち続けた。結局のところ、この暗殺者の脆い精神は、反カルト勢力とのオンライン上での交流や、メディアによる統一教会への容赦ないヘイトキャンペーンによって燃え上がったのだろうか?
この裁判は間違いなく見ものになるだろう。しかし、裁判所、そして国民は、そのタイミングと、何が署名され、何が和解され、何が支払われたのかについても知るべきだ。真実は必ずしも声高に語られるとは限らない。時には、何十年にもわたるプロパガンダの下に埋もれてしまうこともあるのだ。
