安倍元首相暗殺後、「物議を醸す」宗教が献金を集める自由を制限する法律が制定され、宗教の自由がさらに危険にさらされた。
パトリシア・デュバル著*
*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書
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解散請求ならびに不法行為訴訟と並行して、条文には明記されていないものの、統一教会を特に標的とした2つの新しい法律が可決された。1つは「寄付の不当な勧誘」を防止するためのもので、もう1つは被害を訴える人々の損害賠償請求を支援し、解散請求の対象となった宗教法人の資産を凍結するためのものである。
「不当寄付勧誘」に関する2022年12月の法律
2022年12月16日、既存の消費者契約法の一部を改正し、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(令和4年法律第105号)(以下「不当寄付勧誘防止法」)が施行された。
この法律の第3条第1項は、寄付を募る者は寄付者の「自由な意思を抑圧」しないよう注意する義務があるとしており、これは不当な影響力という曖昧で差別的な概念を法律に明記するために採用された規定である。
新法には、宗教的な寄付に特化した規定が含まれている:「第四条 法人等は、寄附の勧誘をするに際し、次に掲げる行為をして寄附の勧誘を受ける個人を困惑させてはならない。…六 当該個人に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、当該個人又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該寄附をすることが必要不可欠である旨を告げること。」
統一教会による「因縁話」など、寄付しようとする個人への説明において地獄やカルマに言及することは、寄付金を募るために個人を困惑させているとみなされる可能性がある。
カトリック教徒や仏教徒にはそのような慣習があるが、言うまでもなくこの規定は伝統的あるいは「社会的に受け入れられた」宗教に適用されるのではなく、侮蔑的に「カルト」というレッテルを貼られた新宗教運動、より具体的には統一教会にのみ適用されるものである
第4条に該当し、寄付者が「困惑」していたことが判明した場合、寄付は取り消される可能性がある。地獄やカルマについて教えられて困惑していた場合、寄付者が寄付の意図を表明したときから撤回できるまでの期限が5年から10年に延長される。
さらに、同法は寄付者が民法上の扶養義務を負う夫、妻、子、または尊属、兄弟姉妹などに対して定期金債務を負う場合、その債権者(扶養を受ける親族)からも寄付の取消ができることを定めている。最後に、新法は日本司法支援センターからの特別な支援(法律相談のあっせん)と、利用しやすい相談システム(これらの特定の被害者のためのホットライン)を通じて、寄付者が取消しと損害賠償を獲得するためのサポートを提供する。
「不当な勧誘」があった場合、所轄省庁は宗教団体にそのような寄付の勧誘をやめるよう命じることができ、命令に従わなかった場合、関係者は懲役刑に処せられる。
これらすべての措置により、新宗教運動が寄付を募るのは非常に危険なものとなる。なぜなら、寄付者が後になってカルマや天罰についての説明で不安になったと訴えた場合、刑事罰の対象となるからである。
しかし何よりも、この国家的制度は、国家が相談料を支払う弁護士の助けを借りて、教会に寄付した人々に、寄付を取り消し、損害賠償を請求するよう扇動することを目的としている。

2023年12月の「特定不法行為」等被害者特例法”
2023年12月30日、令和5年法律第89号が成立した。それは「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律」と呼ばれる。
この法律には、「特定不法行為の被害者」の救済のための日本司法支援センター(法テラス)の運営に関する特別規定と、「宗教法人の財産の処分及び管理」に関する特別規定が含まれている。法律第89号は、日本の当局者によって「特定不法行為被害者法」または「特別措置法」または「特別法」とも呼ばれている。
これは特に統一教会を標的として採択されたもので、以下の2つの目的がある:
– 1つ目は「特定の不法行為の被害者」が損害賠償を求めて訴訟を起こすのを支援すること、そして
– 2つ目は政府から解散請求を受けた宗教法人の資産を監視することであり、つまり、現時点でこの状況にあるのは統一教会だけである。
「特定不法行為」とは、具体的な解散命令請求の原因となった不法行為をいう。すなわち、文部科学省の解散請求につき、「寄付者の正常な判断を妨げる」行為により寄付金を募り、公共の福祉を害するような不法行為である。
法律第89号の規定により、解散請求がなされた宗教法人は、「指定宗教法人」と「特定指定宗教法人」の2つに分類される。
「相当多数の」被害者がいる場合、「指定宗教法人」に指定される:「第7条第1項 所轄庁は、対象宗教法人が次のいずれにも該当すると認めるときは、当該対象宗教法人を指定宗教法人として指定することができる。1 当該対象宗教法人に係る特定不法行為等に係る被害者が相当多数存在することが見込まれること。2 当該対象宗教法人の財産の処分及び管理の状況を把握する必要があること。」
そして、もしある法人が「指定宗教法人」になっており、その財産が散逸するおそれがある場合は、「特別指定宗教法人」となる(第12条)。
「特別指定」のリストに載った団体は、解散前に資産を処分した疑いのある団体である。彼らに対する監視は強化され、被害者側の弁護士が資産や口座にアクセスしやすくなり、債権を担保するための法的措置がとりやすくなる。

これらの規定に基づく文部科学省による指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定について明確化するため、政府は令和6年2月15日に「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律に基づく指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定に関する運用の基準」を定めた。
同運用基準によれば、「特定不法行為の被害者」とは、損害賠償を請求する法律上の権利を有する、又は有し得る者である。特定不法行為の被害者は、特定解散命令請求の際に請求者が認知した被害者に限らず、請求の時点では把握されていなかった同種の行為による被害者も含まれるという。
また、これには賠償請求等を行う意向がいまだ明確でない者も含まれる。これは、今後名乗り出る可能性のある潜在的な被害者を意味する。
また運用基準は、「相当多数の被害者」については、個々の事案に即して個別具体的に判断するとしているが、一般的には数十人程度で十分であるとしている。
第7条第1項第2号の要件について、運用基準は、被害者が相当多数存在することが見込まれるような宗教法人であれば、一般的には、財産処分・管理の状況の把握の必要性が認められると規定している。
要するに、第7条1項に基づき、解散命令請求の対象となる宗教法人に、まだ請求を行っていない全会員を含め、数十人の被害者または潜在的な被害者がいる場合には、その宗教法人に組織的な資産秘匿の疑いがあることになり、第7条2項に基づいてその財政状況を監視する必要があるということだ。
したがって、統一教会は政府によって指定宗教法人とみなされており、その資産は裁判所による解散命令の決定が出るまで監視下にあることは間違いない。
実際のところ、金融機関は海外送金やその他の送金に消極的になっている。
被害者側の弁護士、すなわち反統一教会の全国弁連は、損害賠償請求に向けて教会の資産の行方を注視している。日本弁護士連合会も、2023年12月14日に施行された特定不法行為等被害者特例法(法律89号)について、「また、法テラスの業務の特例については、既に法テラスを利用して全国統一教会被害対策弁護団等に依頼している方も含めて、多くの方々が公平に償還免除の対象になるように柔軟な運用をすべきである。さらに、特定不法行為等に関する民事事件手続の対象範囲についても、いわゆる献金等による経済的損害の回復に限るのではなく、家族関係の崩壊に伴う家事事件その他関連する民事事件も幅広く対象とするべきである。」との談話を発表している。
したがって、日弁連は反統一教会の全国弁連の闘いを支援しているのである。弁護士の依頼人である潜在的な被害者は、教会を訴えるための費用を免除される。彼らの「負担」が軽減されるのは、教会から資産を奪う原告を増やすためだ。
これらの弁護士は寄付金の返還を求めるだけでなく、親族が新宗教に改宗したことによって家族が分裂したことに対する損害賠償を請求するよう、家族を扇動している。

Patricia Duval is an attorney and a member of the Paris Bar. She has a Master in Public Law from La Sorbonne University, and specializes in international human rights law. She has defended the rights of minorities of religion or belief in domestic and international fora, and before international institutions such as the European Court of Human Rights, the Council of Europe, the Organization for Security and Co-operation in Europe, the European Union, and the United Nations. She has also published numerous scholarly articles on freedom of religion or belief.


