彼女たちの活動は数々の賞を受賞し、国連の認定も受けました。しかし統一教会との「つながり」を非難され、彼女たちの人生は今、地獄と化しています。
マッシモ・イントロビニエ
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『Bitter Winter』は安倍晋三元首相暗殺事件後の日本の動向と、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)にその責任を負わせようとする試みを、非常に懸念してきました。暗殺者はその凶悪な犯行の動機として、安倍首相が家庭連合に協力したことに報いるつもりだったと供述しました。2002年に彼の母親が家庭連合に過剰な献金をして破産したため、彼はその宗教団体を憎んでいたのだというのです。この事件後、主に政治的理由から家庭連合に敵対する弁護士その他の人々によって、古いキャンペーンが再燃しました。彼らは、何十年もの間成功裏に反共産主義活動を後援してきた家庭連合に恨みをもっていたのです。彼らは、家庭連合は、信者に物品を本来の価値を過剰に上回る高額な値段で販売する「霊感商法」や、不適切な圧力による献金によって、自己資金を調達している反社会的な組織であり、教会で生まれた二世信者は虐待され、精神的苦痛を受けていると主張しています。記者会見や前代未聞のメディアによる誹謗中傷キャンペーンが続き、政府が宗教団体としての家庭連合の解散を求める決定を下すまでに至りました。
解散は、適正手続後に、裁判所によって宣言されるべきものです。しかし、すでに日本では、憲法及び国際人権法によって禁止されている差別的行為によって、家庭連合の信者や関連する団体の会員を標的にした魔女狩りが行われています。その格好の例は、国連の経済社会理事会(ECOSOC)において25年以上にわたって総合協議資格を維持してきたNGOである、世界平和女性連合インターナショナル(WFWPI)です。WFWPIが1997年に得た「総合協議資格」は、何千ものNGOに与えられている「特殊諮問資格」とは異なります。総合協議資格は比較的珍しいとされています。この資格は、ECOSOCの規則に従い、「広範な地理的範囲を持つ、かなり大規模で確立された国際NGO」で、「いくつかの分野」において国連の目的に「実質的かつ持続的な貢献」を提供しているNGOに対し、徹底した調査を経て与えられます。
WFWPIが1992年に、当時統一教会と呼ばれていた家庭連合の指導者、韓鶴子博士とその亡き夫である文鮮明師によって設立されたことは間違いありません。このことは決して隠されているわけではなく、同団体のウェブサイトで明確に説明されています。一方、WFWPIの目的は家庭連合のための布教ではなく、慈善事業や教育活動を通じて国際的に女性を支援することにあります。WFWPIの活動に参加する人々は、宗教に属しているか、あるいは無宗教であるかを問いません。
しかし日本では、家庭連合解散の裁判結果を待つまでもなく、WFWPIは民主主義国家では前例のない、信じられない差別的キャンペーンの犠牲になっているのです。『Bitter Winter』はWFWPI・WFWP Japanの堀守子会長にインタビューしました。彼女の主張はすべて文書によって裏付けられています。信じられないように思えるかもしれませんが、彼女が語るストーリーは悲劇的な現実なのです。
日本におけるWFWPIの活動についてもっと教えてください。
ご存知の通り、WFWPIは1992年に設立された国際的NGOです。WFWP Japanはその日本支部です。1994年に、WFWP Japanは海外プロジェクトを開始し、50ヵ国で100以上のプロジェクトを実施してきました。私たちの主な焦点は、開発途上国の貧困に苦しむ地域の女性と子供たちの教育です。私たちの献身的なボランティア活動は、あらゆる宗教や信条を持つ女性達に利益をもたらすプロジェクトを通じて重要な貢献をし、未来への希望を及ぼしてきました。数えきれない程の多くの国連機関や他の国際機関とも緊密に連携し、世界各国での活動に対して高い評価を受けてきました。WFWP Japanのニジェールとセネガルでのプロジェクトは、国連のウェブサイトでNGOの “ベスト・プラクティス “として紹介されました。

1987年以降、統一教会に反対するキャンペーンを行っている反カルト団体、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は、WFWP Japanは家庭連合の「隠れ蓑」に過ぎないと主張しています。これらの主張にどう答えますか?
「隠れ蓑」という言葉には、何か隠されたものや欺瞞があるという意味が込められています。実際には、私たちのすべての出版物は、私たちの創設者が文鮮明師と文鶴子女史であることを認めています。私自身も、自分が家庭連合の信者であることを一切隠していません。WFWP Japanが、資金面・組織運営面双方で、家庭連合から独立した組織であることもまた事実です。私たちは家庭連合のために布教することも、資金集めをすることもしていません。WFWP Japanが援助・支援する女性たちも、ボランティアの人たちも、あらゆる宗教を信仰している人たちがおり、場合によっては無宗教の人もいます。WFWP Japanの会員には、無神論者、キリスト教徒、仏教徒、イスラム教徒、そして創価学会や真如苑を含むさまざまな教団や宗教の信奉者がいます。また、会員の政治的意見も、保守からリベラルまでさまざまです。
安倍元首相暗殺後、『Bitter Winter』は、実に酷い偏見の例として、あなた方の有名なボランティア奉仕者である宝山晶子さんの話を取り上げました…。
昨年、WFWP Japanのモザンビーク派遣員である宝山晶子さんは、在モザンビーク日本大使館から電話を受け、外務省が彼女の優れた教育活動に対して授与した大臣表彰の取り消しを決定したと知らされました。この事件は、日本共産党の穀田恵二議員が国会の予算委員会で、外務省が「統一教会の関連団体」に賞を与えたとして非難したことから始まったものです。
穀田氏は、モザンビークにあるWFWPの学校が統一教会の教義を教え、生徒たちに布教していると非難しましたが、それは事実ではありません。表彰が取り消されたことは、宝山さんだけでなく、30年にわたってモザンビークの学校とその生徒たちを支援してきたWFWP Japanの会員にとっても衝撃的なものでした。宝山さんによると、日本大使館こそが外務大臣表彰に推薦したのだそうです。彼女は、賞状と受賞の記念品として受け取った風呂敷を返却するよう求められました。
モザンビークにあるWFWPの学校は、数十年にわたる植民地支配と内戦に苦しんでいたこの国の子供たちに、教育と未来への希望をもたらすために設立されました。WFWPは、地域社会の要請を受け、貧困に苦しむ地域に学校を設立することを決定しました。30年が経ち、女子生徒が全体の50%以上を占めるようになりました。私たちの学校は、その高い教育水準が認められ、賞賛を受けています。外務省が表彰を取り消した後も、WFWPは在日モザンビーク大使館から感謝状を受け取りました。明らかに、モザンビークの人々は、日本の一部の政治家や反カルト主義者による誹謗中傷キャンペーンからではなく、直接、私たちの学校について見聞きした真実を知っているのです。

全国弁連はあなた方の弁論大会も攻撃し、かなりの被害を及ぼしたと聞いていますが…。
私たちは女子留学生日本語弁論大会を行っていることで全国の大学で有名になっています。これは女子留学生の日本語能力を競うコンテストです。今年6月15日、全国弁連はこの弁論大会に抗議する声明を発表し、自治体や大学に対し、WFWP Japanによる公共施設の使用を許可しないよう要請しました。しかし、弁論大会は言語に関するものであり、宗教や家庭連合とは何の関係もありません。
WFWPの会員はこの抗議に啞然としました。WFWP Japanは26年前から、大使館や大学、自治体などの協力を得て、このコンテストを開催してきました。日本に来る女子留学生を支援する方法として、広く称賛されてきました。
弁論大会はWFWPの主要プロジェクトの一つであり、女子留学生を支援するだけでなく、日本国民に留学生の視点を通して日本を理解する貴重な機会を提供してきました。私たちは、女子留学生の支援と国際理解促進のために、このプロジェクトを実施していることに誇りを持っています。
全国弁連の抗議と自治体への要請により、WFWP Japanのいくつかの地方支部は特定の公共施設を使用できなくなりました。5つの自治体が弁論大会のために公共施設を使用することを拒否しました。一部の大学関係者は、WFWP弁論大会への参加を留学生に許可しただけで、大学が「家庭連合に協力している」と非難されたと主張しています。
これらはもはや一過性の出来事ではありませんね……。
残念ながらそうですね。WFWP Japanの会員は、現在においても過去においても家庭連合の信者でかった人たちを含め、非常に困難な状況に置かれています。彼女たちの人生は打ち砕かれ、日々さまざまないじめや差別を受けています。高崎市は、「WFWPは住民に恐怖心を与える団体である」として、WFWP Japanの支部に公共施設の使用を許可しないと通告しました。WFWPはボランティア団体として、地元住民にも評価されているプロジェクトを通じて、30年にわたり地域社会に貢献してきたことを考えると、この通告は非常に理不尽でした。
反カルト全国霊感商法対策弁護士連絡会の中心人物、紀藤正樹弁護士(スクリーンショット)
WFWP Japanの多くの地方支部は、それぞれの自治体にボランティア団体として登録しています。これらの自治体の中には、私たちの登録を一方的に取り消したところもあります。
9月には、2つの印刷会社が私たちの資料の印刷をいったんは引き受けたにもかかわらず、その後に拒んできました。そのうちの1社は、「あなた方は統一教会と関係があるから、当社の評判に影響するため印刷できない」と言いました。日本では、私たちが伝えたい話を印刷することもできない上、言葉で伝えることさえも難しい状況にあります。いくつかのホテルは、全国弁連やメディアから攻撃されることを恐れて、私たちに部屋を貸すことを拒否しています。私たちは記者会見を2回開き、自治体に数多くの抗議文を提出し、さまざまな報告書を発表してきました。しかし残念なことに、私たちの主張はメディアで限定的にしか報道されませんでした。このことは、日本のメディアのほとんどが全国弁連のプロパガンダに盲従し、真実の報道を優先していないことを示しています。
私たちの被害はますます深刻になっており、家庭連合の解散プロセスが進めばさらに悪化する以外にないと予想されます。このような状況は、日本の会員だけに影響を及ぼすものではありません。WFWPの海外支援活動によって支えられ、私たちの援助に頼っている2万人以上の受益者の幸福や、場合によっては命さえも危険にさらしているのです。もし私たちが日本で通常の活動を行うことや、支援金を集めることが許されないのであれば、貧困国の何万人もの女性や子供たちを支援しているプロジェクトを中止せざるを得なくなるでしょう。私たちが提供する教育、食料、住居を奪われるなら、彼女たちもまた、日本における全国弁連、日本共産党、及び誹謗中傷キャンペーンの犠牲者となるでしょう。
この迫害にどう対処するつもりですか?
国連公認のNGOとして、WFWPIは過去30年間、女性のために、特に最も貧しく貧困にあえぐ人々のために優れた活動を行なってきたことで、国連でもよく知られています。このような状況から、私たちは国連人権委員会に現状を訴えました。WFWPとその会員、そして私たちから援助を受ける人々に対する迫害と妨害は、宗教的憎悪の行為であり、明らかな人権侵害です。
日本の風潮からも、フェイクニュースを流したメディアがそれを訂正するとは思えません。繰り返しますが、あらゆる宗教の、あるいは無宗教の何千もの女性たちに罪があるというなら、唯一の罪は、世界中の他の女性たちを助けるためにボランティアとして何十年も働いてきたことです。にもかかわらず、彼女たちはこれからも嫌がらせを受け、差別され、いじめられ続けるでしょう。「善行は報われないこともある」という諺がありますが、この諺は文字通りWFWP Japanの会員に当てはまります。善行のために、彼女たちの人生は地獄に変わりつつあります。私は、国際的な支援だけがこの状況を変えることができると信じています。人権と信教の自由を守ることを使命とするすべての人々に対して、この迫害をやめるべきだとする声明を発表していただき、日本政府に伝えて欲しいと訴えたいと思います。

Massimo Introvigne (born June 14, 1955 in Rome) is an Italian sociologist of religions. He is the founder and managing director of the Center for Studies on New Religions (CESNUR), an international network of scholars who study new religious movements. Introvigne is the author of some 70 books and more than 100 articles in the field of sociology of religion. He was the main author of the Enciclopedia delle religioni in Italia (Encyclopedia of Religions in Italy). He is a member of the editorial board for the Interdisciplinary Journal of Research on Religion and of the executive board of University of California Press’ Nova Religio. From January 5 to December 31, 2011, he has served as the “Representative on combating racism, xenophobia and discrimination, with a special focus on discrimination against Christians and members of other religions” of the Organization for Security and Co-operation in Europe (OSCE). From 2012 to 2015 he served as chairperson of the Observatory of Religious Liberty, instituted by the Italian Ministry of Foreign Affairs in order to monitor problems of religious liberty on a worldwide scale.


