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日本の宗教献金法2. 「恐怖」と宗教的詐欺行為

02/02/2023Massimo Introvigne |

新法は、現世や来世での不幸を「恐れる」ことや、「霊感のある」教師への信頼に基づく寄付を禁止しており、実際にはあらゆる宗教に疑いの目を向けている。

マッシモ・イントロヴィニエ

4本の記事の2本目。1本目を読む。

Read the original article in English.

An old German chest where donations made at Catholic Masses were collected. Credits.
カトリックのミサで献金が集められたドイツの古い箱。クレジット。

2022年12月10日に日本の国会で成立した、いわゆる宗教献金法第4条第6項は、「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見」として、「本人又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは、将来生じうる重大な不利益を回避することができない」と述べて寄付を勧誘することを禁じている。

第4条第6項はこの法律の中心であり、その適用範囲は宗教に対する献金だけに限定されてはいないが、特に宗教に適用され得る規定となっている。実際、宗教の知見は 「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力」に基づく知見の典型である。

この規定は、法律と同じくらい古い問題について規定している。すなわち、宗教に詐欺があり得るのかという問題だ。まず、詐欺とは何かということを理解する必要がある。 “fraud(詐欺)”は「破る、犯す、損害を与える」という意味のギリシャ語の動詞に由来し、西洋では他の多くの法律と同様に詐欺に関する法律もローマ人によって作られた。“fraud”はラテン語の “fraus”に由来する。ローマ人にとって詐欺は重要でなかったわけではない。実際、ローマ神話のマーキュリー神(ギリシャ神話のヘルメスに相当)の助力者であるフラウス女神は、商業とコミュニケーションの神であると同時に詐欺師として描かれていた。

ギリシャ文化では詐欺の評価は曖昧であり、正しい動機で行われるものは許容された。神話の英雄ユリシーズは、有名なトロイの木馬でトロイ人を欺いたことで高く賞賛された。ローマ人はなぜかより道徳的で、詐欺に対してそれほど寛容な見方はしなかった。キケロは、善良な市民にしたくないことをさせるには、ライオンのやり方である暴力と、キツネのやり方である詐欺の2つの戦略があると指摘した。後者にはライオンのような高潔さはなく、より卑しいものであるとみなされていた。

ローマ時代の法律家達が“omnis definitio periculosa”つまり法律においては「すべての定義は危険である」という有名な言葉を残したのは、まさに詐欺についてだった。何世紀も経って、アメリカの最高裁判事がポルノについて同じことを言った。「見ればわかる」。 しかし実際には、ローマ人でさえ、詐欺とは何かについて議論した。

ローマ人は、彼らの後裔に当たる中世のキリスト教徒たちほどには悪人の主観的な動機に関心を抱かなかったが、虚偽の約束や言説に基づいて金銭その他の財産を付与するよう説得することを詐欺と捉えた。ローマの偉大な法学者ウルピアヌスは、今日でも通用する例を挙げている。自分のものではない家を売ったり、「今日お金を渡してくれれば私が購入途上の高貴な宝石を追って受け取ることにができる」と約束したりしつつ、その後に姿を消し、被害者にはお金も宝石も残らないといったケースである。

ウルピアヌス像。ベルギー、ブリュッセルのパレ・デ・ジャスティス。クレジット
ウルピアヌス像。ベルギー、ブリュッセルのパレ・デ・ジャスティス。クレジット

これらのケースで留意すべきは、物質的な財産を扱っていることである。特定の家や宝石は存在しないかもしれないが、家や宝石は物質的、物理的な世界に存在する。もし私が家や宝石を提供すると約束し、それらを提供するつもりがないのに相応のお金をポケットに入れたとしたら、詐欺を証明するのは簡単である。

しかし、ローマ人は、非物質的な利益の約束の方がはるかに問題であることをすでに知っていたのである。一つは所有していない家を売る約束をして後に所有者でなかったことが発覚することや、実在しない宝石を売る約束をすることだ。しかし、宗教的な悟りや死後の世界での報酬を約束するのはどうか。明らかに、家や宝石の場合と違って、「悟り」は物質的なものではないし、死後の世界で何が起こるかは当然証明できない。

ローマ人はこの問題に悩んだが、大方は、宗教の約束が建築業者や宝石商の約束と違うことを理解し、宗教だけは対象外においた。

その後、国教が存在し、宗教の自由がない状況では、支配的な宗教は寄付者によりよい来世を与えることを約束して献金を募っても妨げられず、それと競合する宗教は禁止されるか、かろうじて許容されるにとどまった。有名な例として免罪符をめぐる論争がある。カトリック教会の教えでは、亡くなった人間の多くは、そのままでは天国に行けるほど善人でもなければ地獄に行くほど悪人でもない。煉獄と呼ばれる場所で、罪を償うために時間を過ごすべきだというのだ。煉獄は決して快適な場所ではない。彼らは、そこにいる時間を短くすることはできないが、地上の親族や友人は、彼らの魂のためにミサを捧げるなど、適切な儀式を行うことによって、それができるのである。

16世紀になると、この教義は、死者のために金銭を提供すれば、彼らは自動的に煉獄から天国に行けると唱える説教者によって、やや陳腐なものとされた。これが、マルティン・ルターのローマ教会への反乱のきっかけとなった。彼は、「お金が賽銭箱に入ると同時に、魂は煉獄から飛び出す」というスローガンは宿敵であるドミニコ会の説教者ヨハン・テッツェルが唱えたと主張した。テッツェルはこのスローガンを使わなかったと現代史家は考えているが、金銭の提供が煉獄での魂の状態を緩和する可能性があるということは、当時のカトリック教会で一般的に教えられていた。

ドイツにおける免罪符の販売、16世紀の木版画。Twitterより。
ドイツにおける免罪符の販売、16世紀の木版画。Twitterより。

その他にも、献金が、生者にとってはより良い来世や輪廻転生を用意するための徳行であり、地上の親族や友人が死者に代わって献金すれば、霊界でより良い扱いを受ける可能性がある、といった教えを説く宗教は数え切れないほどある。

なぜ多くの人がこのようなことを信じるのであろうか。私たちのほとんどが知らない死後の世界について知っていると説く神父、牧師、ラビ、霊的指導者がそのように言うからだ。これこそまさに、「霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見」である。霊的指導者や教師は、死後の世界に関する彼らの教えが真実であることを「合理的に実証」することはできない。そして、多くの信仰者は、自分自身や亡くなった親族のために、カトリックの煉獄や仏教の寒冷地獄で何世紀も過ごさなければならないような、あるいはカエルに生まれ変わるような「重大な不幸」を避けるために献金するのだ。

マルコによる福音書10章17-22節で、金持ちの青年がイエスのところにやってきて、どうしたら「永遠の命を受け継ぐ」ことができるかと尋ねた。イエスは、この青年のように正直に生きることは良い出発点であるが、天国を保証するものではない、と告げた。もし、「天にある宝」を確かなものにしたいのなら、「持っているものをすべて売って、貧しい人々に施しなさい」とこの青年は言われた。興味深いことに、現代の聖書学者の中には、ユダヤ人の宗教的な献金を制限していたローマの法律(彼らはローマに税金を払うためにお金を取っておくべきだということ)をイエスが批判しているとみる者もいるが、ここではイエスが権威を持って語っており、その知見がまさに「霊感その他の特殊能力に基づいている」ことがポイントなのである。

金持ちの青年にとって、全財産を放棄することは、物理的な世界では具体的で痛みを伴う出来事であった。「永遠の命」や「天国の宝」が与えられるというのは、日本の法律でいうところの「合理的に実証することが困難なこと」であった。もし青年が寄付するとしたら、イエスを「特別な能力」を持った「霊感」のある教師として信頼したからであり、また永遠の命に導く船を逃すことへの「恐れ」からであろう。

ハインリッヒ・ホフマン(1824-1911)「イエスと若き富豪」(1889年)。クレジット
ハインリッヒ・ホフマン(1824-1911)「イエスと若き富豪」(1889年)。クレジット

これは、特定の宗教に限った献金構造ではない。すべての宗教の献金構造である。現世での悟りや来世での報酬を約束して献金を募ったり、信者により積極的に宗教活動をするように求めることが詐欺だとしたら、すべての宗教が詐欺になる。実際、これは宗教を敵視する啓蒙主義者やマルクス主義者の結論であった。しかし、この結論に民主主義政府は抵抗してきたのである。救いや悟りを逃すかもしれないという「恐れ」から、あるいは宗教の師や教会が霊感に基づく高次の知見の保持者であるという説得に基づいて行われる献金を禁止する日本が、いかにして新法第12条が命じるように信教の自由を尊重できるのかは全く明らかではない。

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