反カルト主義者たちとメディアは、安倍元首相暗殺の状況に誤った解釈を加え、これを悪用して統一教会を攻撃した。
パトリシア・デュバル著*
*2024年9月22日に国連の複数の事務所に送られた報告書
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安倍元首相暗殺事件の余波
統一教会は過去にも全国弁連から「霊感商法」の非難を受けて排除されていたが、2022年7月8日の安倍晋三元首相の暗殺をきっかけに、メディアによる反統一教会キャンペーンが再燃した。
安倍元首相は、統一教会と友好関係にある国連NGOである天宙平和連合(UPF)の平和構築活動に対して共感を示し、2021年にビデオを通じて、2022年にはメッセージを送ることで、2つのUPFイベントに参加した。
犯人の山上徹也は、安倍晋三が統一教会を支援していると非難した。彼は約22年前に高額の献金をした統一教会の女性信者の息子だった。彼は母親が教会への献金のせいで破産したと主張して、自分の犯行を正当化した。なぜ22年も前のことで行動を起こしたのかについて彼は説明しなかったし、2009年に家族の要請で献金の半分が返還されたことについても彼は言及しなかった。
長い年月を経た後に、彼が首相を攻撃するようそそのかしたのは何者だったのかについては、誰も疑問に思わなかったようだ。確かな事実は、山上が反カルト運動とつながりを持っていたということだ。
殺人による逮捕後、全国弁連の主導により、統一教会に対するメディアの猛攻撃が始まった。
2022年7月12日、暗殺事件を受けて全国弁連が開いた記者会見では、弁護団が次々と統一教会を激しく非難した。彼らは「旧統一教会に関して言えば、山上徹也(安倍首相暗殺者)とその母親は100%被害者であり、教団は100%加害者である」と述べ、統一教会を「反社会的」「巨悪」と形容した。
こうした報道を受けて、拡声器を搭載した極右団体の車が統一教会本部や主要都市の教会を取り囲み、「日本から出て行け!」と大音量で叫んだ。ハガキやメールで殺害予告を含む脅迫状が送られてきた。信者は学校、職場、社会で差別を受け、信仰を理由に家族から反対される者もいた。女性が夫から家庭内暴力を受けて負傷したり、離婚を余儀なくされたりするケースもあった。
続いて起こったメディアの騒動により、日本政府は教会とのいかなる関係も断つよう圧力を受け、この惨事は教会のせいだとする全国弁連からも非難を受け、政府当局は教会の解散手続きを開始し、日本から教会を排除するためのいくつかの法律を可決させた。
全国弁連は教会が敗訴した不法行為訴訟を利用してメディアの激しい非難を煽り、解散請求を促した。そして今度はメディアの攻撃によって、裁判所は教会にさらに不利な判決を下すよう圧力を受けた。

そしてついに、2022年10月19日、岸田首相は宗教法人の解散要件に関する宗教法人法の解釈を変更した。同法第81条は次のように規定している:「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。1.法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。…」
首相は一夜にして、民法上の不法行為の認定は「法令違反」に当たると判断し、統一教会に対する解散手続きが開始された。
宗教法人を所轄する日本の文部科学省が解散を申請した。文部科学省の英語名はMinistry of Education, Culture, Sports, Science and Technologyだが、その頭文字を取ってMEXTと略される。「M」は省、「E」は教育、「T」は技術を表す。「X」は「交差(cross)」を表すために使用され、文化、スポーツ、科学、宗教など、さまざまな分野が交差する領域に対する省の職掌を示している。
文部科学省は統一教会に情報提供を要請し始めた。これは日本の法律では宗教法人の解散を求めるための予備的な手続きである。
文部科学省は、2022年11月から2023年7月にかけて、統一教会に対して7回にわたり質問権を行使した。質問内容は、組織や運営に関することはもちろん、訴訟や苦情、和解などの法的事項、献金の形態など多岐にわたった。また、宗教の教義や信条そのものに関しても、それが教会への献金を信者にさせるためにどのように利用されるのかについて質問された。
最終的に、文部科学省は2023年10月13日、教会が敗訴した32件の不法行為訴訟を根拠に、東京地方裁判所に教会の解散を求める訴訟を起こした。
解散請求の当否に関する第1回審問は、2024年12月に東京地方裁判所で開かれる予定である。

不法行為訴訟 ― 日本の裁判所の判決
既に詳述したように、裁判所は全国弁連の消費者法的観点からの論法を無条件に採用した。
この論法に基づき、彼らは献金を募った教会員の信仰を無視し、彼らの目的はもっぱら営利にあると推認できると主張した。
裁判所は、「不当な影響力」を受けたとされる統一教会員が実際には強い信仰を有していたことを認識していたにもかかわらず、彼らが告白した信仰は新しい信者を惑わすための言い訳にすぎないとみなした。
文部科学省は解散命令申立書の中で、次のように主張している(解散命令申立書):「本件宗教法人は、遅くとも昭和55年頃から令和5年頃までの間、その信者が多数の者に対し、相手方の自由な意思決定に制限を加えて、相手方の正常な判断が妨げられる状態で献金又は物品の購入をさせて、多数の者に多額の損害を被らせ、その(セミナーや集会の参加者の)親族を含む多数の者の生活の平穏を害する行為をした。」
この告発の根拠は、統一教会が32件の裁判で敗訴し、損害賠償を命じられたことである。
文部科学省は、統一教会が法令に違反し、宗教法人法第81条第1項に規定する「明らかに公共の福祉を著しく害すると認められる」行為を行ったと結論付けている。
この法律の規定は、自由権規約第18条第3項で認められた制限ではないため、明らかに国連の勧告に反しているという事実もさることながら、32件の裁判例(判決の決定部分を含む32件の不法行為事件の概要、添付資料2を参照)を根拠とすることには、少なくとも5つの要因で欠陥がある:
- 裁判所は、多くの判決で「被害者」は「救出された」ないしは「保護された」と述べている。これはディプログラミングの別の言い方であり、彼らは信仰を放棄するよう強要され、教会を訴えるよう説得されたことを意味する。これらの訴訟は統一教会に対して捏造されたものであり、信仰を撤回させるには強要が必要だったことからすると、献金した当時の元信者に信仰があったことは、明らかな事実であると結論付けることができる(32件の不法行為訴訟のうち、121人の原告が裁判所の認定によればディプログラムされていることに留意)。
- 裁判所は、精神操作という、誤りであることが既に証明された理論を用いて、元信者が当時自らの自由意思によって献金したことを示す被告側の証拠を却下した。
- 関係する事実は非常に古い(40年から20年前)が、裁判所は同じ理論を用いて、時効(3年以上)が成立しているという弁護側の主張を退けた。裁判所は、民事訴訟に有効な時効を適用することを拒否し、「被害者」は反統一教会の全国弁連に出会うまで教会の不当な影響下にあったため、被害者であることに気付かなかったと判断した。これは法律の差別的な適用である。
- 裁判所は、献金が「社会的相当性」を逸脱していると判断する場合、「推定有罪」の法理を適用してきたが、献金勧誘行為の違法性判断のために用いられるこの概念は、恣意的かつ曖昧である。
- 裁判所は、教会への献金を募るために「霊界を利用する」こと、すなわち、カルマ、地獄、救済への信仰に関連する教義の内容を非難したが、これらは宗教そのものに本来備わっているものであり、教理を語って献金を募ることは、宗教団体を設立し維持する権利でもある。
文部科学省が言及した32件の不法行為事件には、違法性に関する同じ一般論が含まれている。「特定の宗教を信じる者が、宗教活動の一環として物品販売(実質的には寄付の勧誘)を行うことも、その方法、態様及び金額等が社会的に相当な範囲内のものにとどまる限りは、違法とはならない。しかし、宗教活動の名の下に営利のみを目的として行い、勧誘を受けた者の不安や混乱を増大させ、その社会的地位や財産に比べて過度に多額の金銭を費やさせるなど、社会的に許容される範囲を著しく超える行為である場合には、違法とならざるを得ない。」
社会的相当性という曖昧で差別的な概念が、日本の裁判所によって統一教会の伝道の権利を制限し、その伝道活動を不法行為にしてしまうために利用されている。

文部科学省が解散請求の根拠とした32件の不法行為事件のうちの一つとして引用した2003年5月13日付東京高等裁判所の判決は、以下のように判示している:「(原告らを)段階を踏んだセミナー(修練会)やトレーニング等に参加させ、統一原理に対する理解を徐々に浸透させ、さらには教義の実践と称して具体的な伝道活動や経済活動に従事させ、その過程で自らが勧誘された過程や、自らが現に行っている活動に多少の疑問を呈するようになっても、信仰を止めることによって自己及び一族家族の現世での救済が得られなくなるという心理を持たせることによって統一協会からの離脱を困難にする契機を有するものであったということができる。」(東京高裁、6頁、2002年10月20日新潟地裁判決の147頁を支持)。
統一教会の信仰を広めることを通して信仰を表明すること自体が、裁判所によって不法行為であると判断され、被害者の自由意思を侵害するものとみなされた。裁判所は次のように判断した:「一般に、宗教を広めるために勧誘・教化する行為、勧誘・教化された信者を各種の活動に従事させたり、献金させたりする行為は、それが社会的に正当な目的に基づき、方法、結果が社会通念に照らして相当である限り、宗教法人の正当な宗教活動の範囲内にあるものと認められる。しかし、その行為が、目的、方法、結果を総合的に判断して、社会的に相当な範囲を著しく逸脱している場合には、法律上、違法であるとの評価を受けるというべきである。そして、このことは、仮に勧誘された信者が、表面的には宗教法人の教義を信仰してその信仰心に基づいて入信した場合であっても同様であり、それらの勧誘、教化を受け、現実にその宗教の伝道活動に従事し、献金等を行った信者に対しても不法行為が成立するというべきである。」
この判決は2004年11月12日に最高裁で支持された。
結論として、反統一教会の全国弁連やメディアの影響を受けて、裁判所は伝道活動や信仰の普及を行った信者を非難するために、心理操作の理論を受け入れたが、これは宗教もしくは信条の権利の侵害であると言わなければならない。
日本の裁判所では統一教会の信者に対する「推定有罪」の意識が非常に強いため、原告が信仰に基づいて献金したことを被告側が証明できたとしても、この証拠は裁判官によって不当な影響力の理論に基づいて無視され、証拠力を否定されてしまう。
そのため、教会とその信者は日本国内の裁判所で自分たちの声を届け、正義を得ることができない。

Patricia Duval is an attorney and a member of the Paris Bar. She has a Master in Public Law from La Sorbonne University, and specializes in international human rights law. She has defended the rights of minorities of religion or belief in domestic and international fora, and before international institutions such as the European Court of Human Rights, the Council of Europe, the Organization for Security and Co-operation in Europe, the European Union, and the United Nations. She has also published numerous scholarly articles on freedom of religion or belief.


