BITTER WINTER

統一教会の事例:日本における宗教ジェノサイド

by | Jun 30, 2025 | Documents and Translations, Japanese

なぜ、いつ、誰によって、どのように宗教の抹殺は仕組まれ、遂行されたのか

マッシモ・イントロヴィニエ

※本稿は、2025年6月16日にジュネーブの国連人権理事会第59会期のサイドイベント「60万人の信者を有する宗教共同体の根絶と解散:日本における統一教会の事例」で発表された文章である。

Read the original article in English.

The side event of June 16 at the UN in Geneva.
2025年6月16日、ジュネーブにおける国連でのサイドイベントの様子

2025年3月25日、東京地方裁判所は統一教会(現在の名称は「世界平和統一家庭連合」)の解散を命じた。この決定には抗告がなされているが、教会に対する敵意に満ちた風潮は圧倒的である。「解散されても税制上の優遇措置が失われるだけだ」という嘘が広められているが、それは誤りだ。教会が解散されれば、すべての資産(銀行口座や礼拝施設を含む)は清算人に引き渡されることになる。学者たちはこの事態を表すために新たな言葉を作り出した――宗教ジェノサイド(religiocide)、すなわち宗教の抹殺である。

2025年6月16日、ジュネーブの国連人権理事会のサイドイベントにおいて、この犯罪行為が分析された。筆者は登壇者の一人として、なぜ、いつ、誰が、どのように、この犯罪行為が実行されたのかという問いに答えようと試みた。

なぜ: この事態を招いた前提条件として、高度に世俗化した日本社会に根付く、宗教組織への強い反感がある。また、日本には自国の問題の原因を外国の宗教に転嫁する「スケープゴート(scapegoat)」の伝統がある。過去の世紀にはキリスト教がその対象だった。軍国主義時代の日本では、平和主義を掲げるエホバの証人が非難され、彼らは今もその標的から外れてはいない。そして現在の標的が統一教会である。教会本部が韓国にあることもあり、嫌韓感情(反韓的な人種差別)も問題の一因となっている。

いつ: 反対派は1980年代から統一教会の解散を求めてきた。彼らの試みが成功したことはなかったが、2022年に起きた安倍晋三元首相暗殺事件が、彼らにとっての「絶好のチャンス」となったのである。犯人自身は統一教会の信者ではないが、母親が信者であった。彼は安倍氏が「教団と近しい関係にあると思った」ため、殺害したと供述しており、その背景として2002年に母親が過度の献金で破産したことを挙げている。なぜ20年もの年月を経て犯行に及んだのかについての説明はなかった。また、統一教会の信者たちが彼の家族に多額の献金を返還していた事実にも触れられていない。

サイドイベントで発言するマッシモ・イントロヴィニエ氏
サイドイベントで発言するマッシモ・イントロヴィニエ氏

誰が: 1987年に始まった反カルト運動には、統一教会や他の保守的宗教の解散を狙う政治的な動機が明確に存在していたことが、証拠から明らかになっている。その多くは社会主義者や共産主義者であり、統一教会が反共主義や親米的立場を取る宗教であることから、これを排除しようとした。また彼らは、保守的で「進歩的」な思想に反すると見なされるすべての信仰を、破壊しようとした。

どのように: 今回の解散命令の根拠とされているのは、統一教会が「霊感商法」によって人々に被害を与えたという一点である。「霊感商法」という言葉は、反カルト団体が作り出した造語であり、開運をもたらす小型の仏塔や印鑑などを高額で販売した行為という意味でつけられた。その後、この表現は献金にも適用されるようになった。こうした販売行為は過去に確かに存在したが、それらは教会の公式活動ではなく、信者個人のビジネスとして行われていたものである。統一教会は2009年、こうした販売行為を禁止し、信者に関与しないよう厳しく指導しており、安倍氏暗殺の頃には報告件数もほぼゼロにまで減少していた。

実際に、これは統一教会や研究者の主張ではなく、裁判所の解散命令の文中にも多く明記されている。しかし裁判所は、近年はごく少数の報告しかないと認めつつ、報告されていない事例があるかもしれない、将来再発するおそれがあるといった「憶測」に基づいて判断しているのが実情である。宗教団体全体を解体するという重大な決定が、こうした憶測に基づいてなされてはいけない。日本で今起きていることは、今世紀の民主主義国家において最も深刻な宗教自由の危機である。

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