文鮮明師が創設した国際勝共連合による日本におけるスパイ防止法キャンペーンこそが、左翼による誹謗中傷の要因だ。
増渕賢一
3本の記事の2本目 1本目の記事を読む

日本は自由主義国にも関わらず、スパイ防止法がなかったため「スパイ天国」となった。
日本で諜報活動に従事した旧ソ連元KGBのレフチェンコ少佐が1982年、米国に亡命し、1982年7月に米国下院情報特別委員会で証言した。レフチェンコ氏は、日本には諜報活動を禁じる法律がないため仕事が楽だったと証言し、また、日本におけるスパイ活動協力者として日本社会党の勝間田清一氏(元委員長)、伊藤茂氏(政策審議会長)、佐藤保氏(社会主義協会事務局長)ら約200名の政治家、ジャーナリストの実名を公表した。これは重大事件であった。
日本では北朝鮮の工作員も暗躍していたが、スパイ防止法がないため、警察も取締ができずにいた。スパイ防止法があれば北朝鮮による日本人拉致事件は防げた。日本は産業面では先進国であり、産業スパイから自国の産業を保護する必要もあった。
こうした安全保障上の理由から、国際勝共連合は「スパイ防止法制定国民会議」の設立に向け、政治家、経済人、学者、言論人、法律関係者、外交関係者、宗教者、治安経験者等の各界各層の有識者らの賛同を求めた。また、全国の都道府県に地方組織を設置して同法制定のための啓蒙活動を展開した。こうして、1979年2月に「スパイ防止法制定促進国民会議」(議長・宇野精一東京大学名誉教授)が結成され、サンケイ会館(東京)に学者、文化人、経済人ら300人が集まり、設立発起人会が開催された。
1984年4月には、参議院会館に議員・有識者ら約300人が集まり「スパイ防止法のための法律制定促進議員・有識者懇談会」設立総会が開催された(会長・岸信介元首相)。
私も1982年3月25日に栃木県議会で「スパイ防止法制定を求める意見書」の採択に尽力した。社会党の県議が激しく反対し、牛歩戦術で阻止しようとしたが、夜中まで闘って遂に意見書を採択した。私は国際勝共連合栃木県総支部の幹事長として県内どこにでも行って大会等で演説した。国民の安全、治安を担う警察関係者は、こうした活動を高く評価した。「スパイ防止法制定を支持する専門家の会」の「治安関係者」には、元警察庁長官や元警視総監を含む警察元幹部関係者が名を連ねた。

国会でもスパイ防止法の制定が議論されたが、制定には至らず、国家の安全保障に重大な禍根を残した。
前述の通り国際勝共連合とは1975年以来、関係を保ってきた。2010年以降は家庭連合とも交流するようになった。私が彼らと交流して思うのは、とにかく一人一人が実に真面目な人達だということだ。自分を犠牲にして世のため世界のために生きていることは良く分かる。虚構を信じて人々を不幸に導く左翼の人達とは全く異なる。
左翼系弁護士らは統一教会を攻撃する際、いわゆる「霊感商法」問題を騒ぎ立てる。しかし、「霊感商法」を理解するには、信心とは何か?宗教心とは何か?を知らなければならない。私自身も、信者から勧められて、支援のつもりで大理石壺と印鑑とを購入した。霊験あらたかとされる大理石壺を何十万円、何百万円支払って購入したとしても、お互いに納得の上であれば問題ないはずだ。購入時には納得していたのが、その後霊験を信じられなくなってクレームを起こす人がいても、それは「被害」ではなく、気が変わったということだ。左翼弁護士らは、統一教会、勝共連合を叩く絶好の機会と捉えて「被害」を強調するが、本質をずらすのは彼らの常套手段だ。私は実情が分かっていたので、示談のお手伝いをしたこともあった。
1994年に松本サリン事件、1995年には地下鉄サリン事件が起き、オウム真理教・麻原彰晃教祖と幹部信者らの計画的犯行であったことが後日明らかになった。この事件後、日本の新興宗教は、カルト色を薄める努力を強いられることとなったように思う。旧統一教会の信者らも、いつしか壺や多宝塔は販売しなくなった。
家庭連合を巡っては高額献金も批判される。しかし、宗教団体への献金はキリスト教であれば極めて普通のことだ。高額か否かはその人の信心の程度に依るのであり、基本的には他人が介入すべき問題ではない。宗教団体は、信徒からの献金を団体の維持・活動のために用いる。布施や献金がなければ、組織的な活動など不可能だ。宗教や信者を否定するのは、「宗教は阿片である」として全否定する共産主義者の主張に他ならない。
家庭連合、国際勝共連合に対して「反日」と批判する者達がいる。ところが、こうした批判をするのは大抵左翼系の「反日」の人達だ。保守分断が狙いなのだろう。国際勝共連合が日本の伝統を保守する為にしてきたことを思えば、彼らを軽々に「反日」だなどと批判できないはずだ。
2022年7月8日、私は自身が後援会長を務める参議院議員候補の応援で栃木県内各地の遊説に立っていたが、県南を通る国道50号線沿いの蕎麦屋で昼食をとっていた際、テレビで銃撃事件を知った。

元首相がなぜ“暗殺”か?と驚くと同時に、安倍氏がそれだけ大きな影響力を持つ政治家であったことを再認識した。
数日後から、銃撃の容疑者・山上徹也の「供述」がマスコミにリークされ、山上の犯行は、「旧統一教会に対する恨み」であると報道された。私は、ケネディ大統領暗殺事件や安重根による伊藤博文暗殺事件の真相に関心を持って関係資料を調べたことがあり、暗殺事件を巡る発表には必ず政治的思惑が絡むことを知っていた。そこで、山上供述に関するリーク報道が流れた際にも、「造られたストーリー」があるのではないかと疑惑を抱いた。実際、事件後、安倍元総理の手術を担当した医師の証言と検死結果とが全く異なるなど、様々な矛盾が明らかにされた。事件報道についての疑問は深まるばかりだ。
ところがマスコミは、容疑者の供述でしかないにも関わらず、「統一教会への恨み」以外に犯行動機はなかったかのような一方的な報道を毎日のように繰り返した。元々、家庭連合、国際勝共連合のことが大嫌いな左傾マスコミにとっては、家庭連合、勝共連合叩きの絶好の機会となり、世論を大いに盛り上げた。しかし、こうした供述をまるで事実であるかのようにリークする一部官憲の姿勢には、疑問を抱かざるを得ない。また今回の報道では、左翼系の報道機関だけでなく、読売テレビまでもが同じ方向の報道を繰り返した。安倍元総理は生前、メディアのフェイク報道に対して最後まで屈しなかったが、この結果、読売からも嫌われたことが分かった。
いずれにしても、銃撃事件の真相が解明されない内から、家庭連合の解散を云々する政府の姿勢は全く理解できない。信教の自由は、国民一人一人の思想信条の自由を担保するために確立された権利であり、民主主義の根幹である。このような社会規範を損うマスコミ報道は慎むべきだ。

Massimo Introvigne (born June 14, 1955 in Rome) is an Italian sociologist of religions. He is the founder and managing director of the Center for Studies on New Religions (CESNUR), an international network of scholars who study new religious movements. Introvigne is the author of some 70 books and more than 100 articles in the field of sociology of religion. He was the main author of the Enciclopedia delle religioni in Italia (Encyclopedia of Religions in Italy). He is a member of the editorial board for the Interdisciplinary Journal of Research on Religion and of the executive board of University of California Press’ Nova Religio. From January 5 to December 31, 2011, he has served as the “Representative on combating racism, xenophobia and discrimination, with a special focus on discrimination against Christians and members of other religions” of the Organization for Security and Co-operation in Europe (OSCE). From 2012 to 2015 he served as chairperson of the Observatory of Religious Liberty, instituted by the Italian Ministry of Foreign Affairs in order to monitor problems of religious liberty on a worldwide scale.

