統一教会の代理人を務める弁護士の一人が訴訟の説明を締めくくり、いくつかの一般的なコメントを述べる。
福本修也

W1、W2の陳述書作成に見られる文科省の悪質性
W1、W2ともに、以下の経過を辿っているが、①⇒②⇒③と段階を経るごとに虚構が増し加わっていることで共通している。
- 弁護士抜きでの交渉
- 全国弁連の弁護士による通知書送付
- 文科省担当者による陳述書作成
こうした虚構に関し、W1は自身が陳述書に署名捺印した際、細かくは読んでいなかったと供述し、W2は、陳述書には記憶にないことが書かれていることを認めた。これでは、文科省による捏造の事実を認めるにも等しい。
文科省提出陳述書全般に見られる虚偽内容
W1、W2以外の者の陳述書について、文科省の担当者が勝手に内容を書き加えたものや、本人の知らないところで勝手に作成されたものがあることが別途判明している。
(1)W3の陳述書
家庭連合信者W3(当時65歳の男性)によると、文科省担当者は陳述書作成の意図を告げずにW3から体験談を聞き出し、その内容を元に2023年9月20日付でW3名義の陳述書を作成し、裁判所に提出した。W3は後日、家庭連合側からの連絡で、このことを知った。W3が陳述書を読んだところ、W3が実際には話していない記載が複数書かれていた。即ち、実際には、W3は自由意思によって信仰し、献金を行い、祝福式に参加するなどの活動を行ったものであったが、陳述書には、「先祖因縁で不幸になる」「地獄に墜ちる」などと言われ、恐怖心から多額の献金をしたり、物品を購入したり、合同結婚式に参加するなどしたと虚偽の事実が書かれていた。
そこでW3は、家庭連合側から陳述書を提出し、文科省が勝手に書いた箇所の削除を求めた。
(2)W4の陳述書
W4は91歳の元女性信者で、信仰心に基づき自由意思によって統一教会に入会し、献金等を捧げ、娘や夫を伝道し、長年熱心な信仰生活を続けた。ところが、安倍元総理銃撃事件後のメディア報道によって扇動された息子達から強い反対を受けた際、高齢のために抵抗できず、家庭連合を脱会した。しかし、信仰は失わなかった。
文科省は、34頁に及ぶW4名義の陳述書(2023年12月23日付)を裁判所に提出した。また、息子達の主導でW4による献金返還請求手続が行われた。このことを知った娘がW4に会って話を聞いたところ、W4は、陳述書を作成したことはないし、献金返還も望んでいないと答えた。陳述書も、息子らと文科省の担当者とで作成したものだろうとのことであった。
陳述書内容は、事実と全く異なるものであった。特に、陳述書には、W4の夫が先祖の因縁で鬱病になったと言われてビデオセンターに勧誘され、壺を購入させられたとの記載があったが、夫の鬱病は1959年のことで、2ヶ月で回復しており、W4が家庭連合の信者に勧誘された1985年の26年前のことだった。
家族の鬱病が先祖の因縁のせいだと説かれたと虚構する点は、W1の陳述書における事実捏造と同様の手口だった。
(3)W1~W4以外の陳述書について
W1~W4以外の陳述書も、判で押したように「先祖因縁」「地獄」「アダム・イブ」(家庭連合では「エバ」と言う)といった言葉が繰り返されており、文科省が意図的・組織的に本人の認識と異なる内容虚偽の陳述書を捏造した事実は明らかである。そもそも通常の成人が、「先祖因縁」「地獄」といった話に怯えて大事な意思決定をすることはあり得ない。
これは、元々、天のため、世界人類のためという動機から自由意思によって行った献金等を巡り、元信者が損害賠償請求を行う際に、殊更に請求を理由あらしめるために全国弁連が用いていた手法に他ならず、こうした悪質な手法が宗教法人解散命令申立事件で用いられることはあってはならない。

英国裁判との比較検証
本件で明らかになった虚偽陳述書の捏造に関連し,本件と比較して考察すべき海外の裁判事例として,英国政府が統一教会を訴えた事件がある。
1984年,英国政府は,「統一教会は宗教ではない」という理由で英国統一教会の慈善団体としての地位剥奪を求める訴訟を提起した。しかし,統一教会側証人として証言に立った国際的に著名な大学の著名な宗教学者らにより,
- 統一教会の教理には宗教性が認められる
- 洗脳,強要,マインド・コントロールは存在しない
- 背教者,特にディプログラミングされた者の敵対的証言は適切な証言とは見ることができない
という専門的知見に基づく反証がなされ,政府側証人であったディプログラミングを受けた背教者やディプログラマーらの証言が全く信用できないことが明らかにされた。
そのため,英国政府は,訴訟の取下げを余儀なくされ,訴訟費用の支払いが政府に命じられた。
英国の事件では,背教者らが行った証言内容の具体的虚偽性の立証以前に背教者らの属性として一律に証言の信用性が否定されたものであったが,本件で証明された事実はそれに留まるものではない。本件では,申立人側証人であるW1とW2が全国弁連介入によって背教者と化し,全国弁連から申立人に紹介されて後,申立人の手により悪質な虚偽陳述書が捏造された具体的事実及び事実捏造経緯が証明され,他方で,申立人が別途作成したW3及びW4陳述書の名義人本人の暴露証言により虚偽陳述書捏造の悪質な舞台裏が明らかになり,本件各証人尋問の結果から,上記舞台裏と全く同様のことがW1の陳述書作成においても行われたことが証明されたのである。
すなわち,本件は,申立人側証人である背教者が行う具体的な証言の虚偽性及び虚偽捏造過程までもが証明されている点において,英国裁判でなされた反証のレベルを遙かに凌いでいるのである。
英国政府においては,反カルト勢力の悪魔の囁きに乗ってしまったことに気づき,自らの誤りを潔く認めて訴えを取り下げた。
しかるに,申立人においては,虚偽捏造事実が白日の下に明らかにされたにもかかわらず,厚顔無恥にも,自らが犯した犯罪ともいうべき誤りを認めて反省する気配もなければ,本件申立てを取り下げる勇気もないようである。
いずれ,日本政府は,国際社会から,英国政府との比較において国家としての品格を問われることになるであろう.
文科省が、意図的・組織的に虚偽事実を記載した陳述書を捏造したのは、そうしなければ、家庭連合に対する解散命令申立事件を提起することができず、かつ、同裁判で勝てないと同省自身が判断したからにほかならない。証拠を捏造してまで宗教法人の解散命令を申し立てた文科省の罪は極めて重いと言わざるを得ない。しかも、解散命令申立事件の審理の過程で、解散命令の根拠となる証拠とされた陳述書が虚偽捏造であったという事実が明らかになった以上、本来であれば、統一教会の慈善団体資格剥奪を求める訴えを1984年に提起しながら、国側証人(背教者やディプログラマー)の証言の虚偽性が明らかになって1988年に訴えを取り下げた英国政府のように、文科省も潔く本件申立てを取り下げるべきであった。しかしながら、文科省にそのような態度は全くみられない。虚偽捏造により家庭連合を陥れ、その虚偽捏造事実が明らかになったにもかかわらず,解散命令申立事件をなおも続行する文科省の姿勢は極めて悪質であり、「歴史の審判」を免れないであろう。

Nobuya Fukumoto graduated in March 1988 from the Faculty of Law, The University of Tokyo. In October 1988, he passed the National Bar Examination. In April 1991, he was appointed as a Public Prosecutor. In 1996, he studied at the University of Notre Dame Law School, in the USA. In 1997, he
served at the Ministry of Justice. From
August 2000, he is an attorney at law in private practice, with extensive experience in legal writing and publications.


