統一教会の弁護士の一人が事件について自身の説明を続ける。反対尋問で、検察側が依拠した重要な証言の一つが虚偽であることが明らかになった。
福本修也 3本の記事の2本目。1本目を読む。

W2の陳述書での供述内容
W2は1955年生まれの女性で2023年7月に陳述書を作成した当時68歳の元信者であった。W2の陳述書には以下の経緯が記されていた。
| 時期 | 出来事 |
| 2004年頃 | K県で働いていた際に職場の同僚からの誘いで家庭連合の教義を学び始めた。 |
| 18万円で印鑑購入 | |
| 2005年9月 | Y県U市に転居し、家に尋ねてきた信者らからの勧誘を受け、ビデオセンターで家庭連合の教義を学び、「統一教会に献金をすることで徳を積み、天国に行くことができる」という教義に従って献金した。 |
| 2006年頃 | W2の兄が自殺していたことを理由にT基台長から以下の因縁話をされて恐くなり、弥勒像を購入した。 ・自殺した人は地獄に行く ・兄は霊界で苦しんでいるので、地獄から引き上げなければならない。そのために弥勒菩薩を授かりなさい ・お兄さんを地獄から引き上げれば家族も幸せになる ・弥勒像の値段は180万円だが、既に80万円献金していたので、100万円で良い。 |
| 弥勒像購入の1ヶ月後、生活が苦しくなりT基台長に100万円の返還を求めたが拒否された。 | |
| T基台長から、兄は地獄で苦しんでいるなどと言われ兄ら3名を特別解怨し献金36万円を支払った(12万円×3体)。 | |
| 2007年12月 | 展示会でネックレスとイヤリングを27万円で購入 |
| 2013年頃 | 展示会で磁気ネックレス2本を11万~12万円で購入 |
| 2013年7月 | 展示会でペンダントを30万円で購入 |
| 2014年 | 80万円献金 |
| 2016年 | 訪韓ツアー7万円 |
| 2019年 | 強く勧められて先祖解怨のため30万円献金 |
| T基台長から怒られて父母経のため40万円献金 | |
| 2021年 | 7万2000円献金 |
| 2010年~2021年 | 奉献書献金5万円(5000円×10回) |
| 2015年~2022年 | 体に良いと言われ高麗人参エキス3個購入(合計18万円) |

W2の陳述書における供述の虚偽性
以下の事実からW2の陳述書における供述の虚偽性は明らかだった。
- 現役の信者からの話によると、W2がK県のビデオセンターで見た弥勒像が欲しいと何度も言っていたため、信徒らが探してきて献金の記念品として贈呈したが、このときにW2がした献金は100万円だった(180万円ではない)。また、現役の信者の誰も、W2の兄が自殺したと聞いた者はいなかった。2023年2月22日付で全国弁連の弁護士が家庭連合に送った通知書にも、兄の自殺のことは一切触れられていなかった。
教会側の記録(証拠有り)によると、兄の特別解怨がされたのは2013年1月であり、弥勒像の贈呈がされた2006年よりもずっと後のことであり、残りの2名の特別解怨を行ったのはさらにその数年後のことで、これらも同時ではなく別々の機会に行われたものであった。弥勒像贈呈の際の100万円の献金の1ヶ月後に、生活苦になり献金返還を求めたと供述するW2が、同じ2006年に重ねて36万円献金したというのも矛盾であった。また、そもそも兄の救いのため弥勒像を購入したのであれば、何故直後に兄の特別解怨をしたのか説明がつかなかった。
- W2は、アベル・カインの教義のために、Tに逆らえなかった(マインド・コントロール)とか、Tから怒られて献金したと陳述書で述べているが、Tをはじめとする現役の信者らの話によると全くの事実無根だった。むしろ、W2は、証言ビデオでは、Tのことを深く信頼し、自分が入院中にもTが見舞いに来てくれて本当に良くして下さったと言って心から感謝の言葉を述べていたほどである。
- W2が家庭連合の儀式(祝福式等)に参加したとき笑顔で写っている写真が複数あった。
- 2008年~2011年の間、W2は家庭連合をやめて創価学会の信仰を持つようになった。ところが、弥勒像を山中で壊した直後、長男が暴力事件を起こしたことから、W2は悔い改めて家庭連合に戻った。そのときの心境を吐露したW2の証言ビデオが残っており、その中でW2は、「創価学会」という団体名にこそ触れなかったが、「何年も行ったり来たりの繰り返しをしていくうちに自分が病気になってしまった」、「このぶれない気持ちをしっかり持って行く」、「こうして教会に来させて頂くことは、本当にありがたく思っています」と述べている。
W2に対する尋問結果
上記「(2)」の「①」~「④」に関して、W2は尋問で以下の通り供述した。
上記「①」との関係で、兄ら3人に対する特別解怨に向け、T基台長から何と言われたか聞かれたW2は、陳述書に書かれた内容を全く答えられなかった。のみならず、陳述書にはW2自身の記憶にないことが書かれていると供述した。また、W2が弥勒像購入原資とした兄の保険金が100万円であったなど、弥勒像のため支払った金額が100万円であったことを実質上認めた。また、W2は、「統一教会に献金をすることで徳を積み、天国に行くことができる」というのが嘘だったから家庭連合に騙されたと供述した。まだ生きているので天国に入れるかどうか分からないのではとの質問を受けると、細かいことは分からないと供述した。
「②」に関してW2は、カインが何故アベルに従わなければならないかの理由を聞かれ、全く答えられなかった。のみならず、アベルとカインのことが聖書のどこに記載されているか答えることができず、また、アベルとカインの親が誰かと問われても、答えることもできなかった。要するに、アベル・カインの教義のゆえにTに逆らえなかったというのは虚偽であることが判明した。
「③」に関してW2は、儀式(独身祝福、霊肉祝福)に参加したときに笑顔で写っている写真を見せられ、このときは感謝し喜んでいたことを認めた。また、信仰していたときには、祝福に希望を持っていたと供述した。
「④」に関してW2は、創価学会に誘われたことがあることのみを認め、その信仰を持ったことは否定した。また、長男が暴力事件を起こしたことも否定した。しかし、創価学会の人と一緒に弥勒像を壊しに行ったこと、弥勒像を壊した直後に家庭連合に戻ったことは認めた。仏像や仏壇を壊すのは創価学会に特有のことであるため、W2が創価学会の信仰を持った事実を実質認めた結果となった。文科省は、家庭連合を離れると不幸になったり地獄に落ちるという恐怖心のゆえに信者らは家庭連合の信仰を辞められなかったのだ(マインド・コントロール)と主張し、W2の陳述書にも同旨の記載をしていたため、W2が自由意思により家庭連合を離れて創価学会に行った事実及び自由意思により家庭連合に再び戻ってきた事実を何としても隠蔽したかったものと考えられる。W2自身による信仰比較の結果、解散命令申立ての対象となっていない創価学会よりも解散申立ての対象となっている家庭連合の教えの方がW2にとって魂の救済に資する教えであると判断して行動したという事実は、文科省が絶対に裁判所に隠蔽したい事実であったため、W2を指導し、創価学会に行ったことを否定させたものと考えられる(文科省側のW2に対する証人尋問では明らかな偽証教唆と認められる問答がいくつかある)。

Nobuya Fukumoto graduated in March 1988 from the Faculty of Law, The University of Tokyo. In October 1988, he passed the National Bar Examination. In April 1991, he was appointed as a Public Prosecutor. In 1996, he studied at the University of Notre Dame Law School, in the USA. In 1997, he
served at the Ministry of Justice. From
August 2000, he is an attorney at law in private practice, with extensive experience in legal writing and publications.


