統一協会の “フロント “だと主張する共産党 新潟市で開催された「女子留学生日本語弁論大会」の開催阻止を試みる
マッシモ・イントロヴィニエ
世界平和女性連合(WFWPI)は国連の経済社会理事会(ECOSOC)において25年以上にわたって総合協議資格を維持してきたNGOである。WFWPIが1997年に得た「総合協議資格」は、何千ものNGOに与えられている「特殊協議資格」とは異なり、比較的珍しいものである。この資格は、ECOSOCの規則に従い、「広範な地理的範囲を持つ、かなり大規模で確立された国際NGO」で、「いくつかの分野」において国連の目的に「実質的かつ持続的な貢献」を提供しているNGOに対し、徹底した調査を経て与えられる。
WFWPIが1992年に、当時統一協会と呼ばれていた家庭連合の指導者、韓鶴子博士とその亡き夫である文鮮明師によって設立されたことは間違いない。このことは決して隠されているわけではなく、同団体のウェブサイトで明確に説明されている。一方、WFWPIの目的は家庭連合のための布教ではなく、慈善事業や教育活動を通じて国際的に女性を支援することにあり、WFWPIの活動に参加する人々は、宗教に属しているか、あるいは無宗教であるかを問わない。
日本におけるWFWPの最もよく知られている活動の一つは、「女子留学生日本語弁論大会」である。 繰り返しになるが、この有名なコンテストには宗教的な内容は一切なく、統一協会の布教活動でもない。
1980年代に始まった日本における反カルト運動の特徴の一つは、日本共産党と密接に結びついていることである。統一協会とその関連団体である国際勝共連合(IFVOC)は成功裏に反共産主義運動を展開し、選挙で共産党候補を敗北させる上で重要な役割を果たしてきた。そのため、日本共産党は統一協会とその関連団体を破壊することを誓ったのである。 2022年に安倍晋三元首相が暗殺された後、ついにその目的を達成する機会を得たと考え、WFWPも標的にした。”Bitter Winter “は、WFWP日本の堀守子会長に、女子留学生日本語弁論大会に対する日本共産党の最新の動向についてインタビューした。
Q:弁論大会で一体何が起こっており、それに日本共産党がどう関わっているのでしょうか?
A:WFWP日本は27年間にわたって、女子留学生日本語弁論大会を主催してきました。 昨年、日本共産党の機関紙である『しんぶん赤旗』が弁論大会の全日程を掲載し、反カルト運動団体である全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が抗議声明を発表しました。 自治体や大学に対し、WFWPの公共施設利用を禁止するよう求めたのです。 昨年に引き続き、2024年5月22日付の『しんぶん赤旗』にもWFWP女子留学生日本語弁論大会の日程が掲載されました。 その後、7月11日には、日本共産党新潟市議団の一行が新潟市の野島副市長に対し、WFWPに公共施設を貸さないよう要請しました。
Q: 新潟市はどのように反応しましたか?
A: 副市長は『統一協会は解散命令請求が出されている団体として認識しているが、WFWPは統一協会の関連団体とは認められていないので、市は条例に基づいて施設を貸し出している』と回答しました。よって、WFWP日本は2024年7月21日に新潟で女子留学生日本語弁論大会の地方大会を公共施設で開催しました。施設の館長は非常に親切で、WFWPの弁論大会の目的に問題はないと言ってくださいました。この施設では長年にわたりWFWPのイベントを開催しておりますが、館長は弁論大会を見学した結果、施設の使用に問題はないと判断しました。
Q:それでも反対派は諦めなかったそうですね・・
A:イベント当日、午後12時10分頃、『市民団体』を名乗る9名がプラカードを掲げて会場の入り口を塞いでいました。プラカードには、『市長!反社会的グループに公共施設を貸さないで!』『新潟市は統一協会の偽装=世界平和女性連合に施設貸すな!』と書かれていました。猛暑だったので心配になり、WFWPのスタッフがデモ参加者の一人に「とても暑いですね?」と声をかけました。それに対し、デモ参加者は「韓国に帰れ!」と我々のスタッフに叫びました。スタッフはショックを受け、その意味が理解できませんでした。別のデモ参加者に弁論大会に反対する理由を尋ねると、弁論大会には興味を示さず、「霊感商法は良くない!」と言いました。(反対派が名付けた『霊感商法』とは、統一協会のメンバーが所有する会社がミニチュアの仏塔や印鑑などの縁起物を、本来の価値よりも高い価格で販売することを指し、15年以上前に中止されている)。さらにスタッフがデモ参加者に「どの組織から来たのですか?」と尋ねると、「私たちは地元住民です」と答えました。彼らの写真を撮ろうとすると、デモ参加者はカメラの前に立ち、まるで攻撃を始めるかのような態度を見せました。施設のスタッフも心配し、デモ参加者に注意を払っていました。
Q:その『地元住民』とは一体誰だったのですか?
A:WFWPのスタッフは、やむを得ずデモ参加者の後ろから写真を撮りました。すると、彼らが持っていたプラカードの裏側には『日本共産党』と書かれていることがわかりました。彼らは日本共産党が作ったポスターの裏側を使用していたのです。彼らが一般市民ではなく、地元の共産党員であることが明らかになりました。」
Q:最終的にはどうなったのですか?
A:共産党のデモ参加者たちは、抗議を始めてからちょうど1時間後に解散しました。デモ参加者は高齢者ばかりだったので、スタッフは暑さで彼らの体調に影響が出るのではないかと心配していました。幸いにも1時間後、主催者が『1時間経ちましたので、終了します』とアナウンスしました。すると、あるデモ参加者が『ああ、やっと帰れる!』と叫び、全員が立ち去りました。しかし、デモ終了後、日本共産党の機関紙『しんぶん赤旗』がこの問題を報道し、共産党市議団が自治体に抗議し、地元の共産党員が会場で反対活動を行いました。
Q:共産党の抗議の最終的な目的は何だったと思いますか?
A:彼らのデモが誰に向けられたものなのかは不明です。抗議は弁論大会が始まる30分前には終了し、その間に通りかかった人は20人未満でした。さらに、到着するやいなや、抗議活動をしている自分たちの写真を撮り、『写真を送りました』と誰かに報告していました。彼らは弁論大会の目的には全く関心がなく、指定された時間と場所にいるという指示に従っていただけです。これは、日本共産党が家庭連合だけでなく、WFWPをはじめ、直接または間接的に関連するすべての組織に嫌がらせをし、破壊しようとするキャンペーンの一環なのです。